身内を亡くしたあとに初めて迎えるお正月は、新年の挨拶をどう扱えばよいのか迷う場面が多いものです。近年は年賀状よりもLINEで新年の挨拶を交わす人が増え、喪中の年にLINEで挨拶を送ってよいのか判断に困るという声も少なくありません。

結論から述べると、喪中であってもLINEで挨拶を送ること自体は問題ありません。ただし「おめでとう」を含む賀詞を避け、相手と自分の状況に配慮した言葉を選ぶことが大切だと言えます。送る相手や関係性によって、ふさわしい表現は変わってきます。

この記事では、喪中の挨拶をLINEで送るときの基本マナーから、友人や上司など相手別の例文、喪中の相手から挨拶が届いたときの返信まで、順を追って整理していきます。

  • 喪中とは何か、期間や対象になる範囲の考え方
  • 喪中の挨拶LINEで避けたい賀詞と言い換えの言葉
  • 友人・上司・親族など相手別のLINE例文
  • 喪中の相手から挨拶が来たときの返信と寒中見舞いへの切り替え方

喪中の挨拶をLINEで送る前に押さえる基本マナー

喪中の年に挨拶をLINEで送るときは、通常の新年の挨拶とは言葉の選び方が変わります。まずは喪中という期間の意味と、なぜ賀詞を控えるのかという理由を理解しておくことが、失礼のないやり取りにつながると考えられます。ここでは送る前に知っておきたい前提を整理します。

喪中の期間と対象範囲を示す図

喪中とは何か期間と対象になる範囲

喪中とは、近しい身内を亡くしたときに、故人の死を悼み、身を慎んで過ごす期間を指します。お祝い事を控えめにし、静かに故人を偲ぶという日本の慣習に基づくものです。期間の目安は、一般的に亡くなった日から一周忌の法要を終えるまでのおよそ一年間とされています。

喪中の対象になるかどうかは、故人と自分との関係の近さで判断するのが一般的です。多くの場合、自分から見て二親等以内の親族が亡くなったときに喪中とすると考えられています。具体的には、父母や配偶者、子、兄弟姉妹、祖父母、孫などが含まれます。

ただし、これらは厳密な決まりというより目安です。同居していたかどうか、日頃の付き合いの深さなどによって、喪に服すかどうかを各自で判断してよいとされています。二親等であっても遠方で交流が少なかった場合は喪中としない人もいれば、三親等以上でも深い関係であれば喪に服す人もいます。形式よりも、自分が故人を悼む気持ちを大切にすればよいと言えます。

なお、亡くなってから四十九日を迎えるまでの期間は「忌中」と呼ばれ、喪中の中でも特に身を慎む期間とされています。忌中と喪中の違いを意識しておくと、挨拶を送るタイミングの判断もしやすくなるでしょう。

喪中にLINEの新年挨拶を控える理由

喪中の年に新年の挨拶を控えるのは、お正月が本来「新しい年を祝う行事」だからです。年賀状や「あけましておめでとうございます」という言葉は、相手の新年を祝福する意味を持っています。故人を悼む喪中の立場からは、こうした祝いの言葉を発するのは控えるのが伝統的なマナーと考えられています。

これはLINEであっても基本的な考え方は同じです。手段が手紙からメッセージアプリに変わっても、新年を祝う賀詞を避けるという配慮そのものは変わりません。LINEは気軽に送れる分、つい普段の調子で「あけおめ」と打ってしまいやすいので、喪中の年は特に注意したいところです。

一方で、喪中だからといって一切の連絡を絶つ必要はありません。日頃やり取りしている相手に対して、新年を機にひとことLINEを送ること自体は失礼ではないと言えます。大切なのは、祝いの言葉ではなく、旧年中の感謝や本年のお付き合いをお願いする言葉に置き換えることです。

また、相手が自分の喪中を知らない場合もあります。LINEは年賀状と違って事前の喪中はがきが届かないことも多いため、こちらから簡潔に喪中である旨を添えておくと、相手も状況を理解しやすくなり、その後のやり取りが穏やかに進むと考えられます。

避ける賀詞と使える言葉の対比

喪中の挨拶LINEで避けたい賀詞と言い換え

喪中の挨拶をLINEで送るうえで最も気をつけたいのが、賀詞の扱いです。賀詞とは新年を祝う言葉のことで、「あけましておめでとうございます」「謹賀新年」「賀正」などが代表例です。カジュアルな「あけおめ」「ことよろ」も同じく祝いの意味を含むため、喪中の年は避けるのが無難でしょう。

では、これらをどう言い換えればよいのでしょうか。基本は、祝いの言葉を抜いて、感謝とお願いの気持ちを伝える形にすることです。たとえば「旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします」という表現は、祝いの言葉を含まないため喪中でも使えます。親しい友人であれば「昨年はありがとう。今年もよろしくね」と柔らかく伝えても差し支えありません。

避けたい賀詞 喪中で使える言い換え
あけましておめでとうございます 旧年中はお世話になりました
謹賀新年・賀正 本年もよろしくお願いいたします
あけおめ・ことよろ 昨年はありがとう。今年もよろしくね
新年おめでとう 穏やかな一年になりますように

言い換えのコツは、相手の幸せや健康を願う言葉に置き換えることです。「穏やかな一年になりますように」「お体に気をつけてお過ごしください」といった表現であれば、祝いの意味を強く出さずに前向きな気持ちを伝えられます。祝う言葉を消すだけでなく、相手を思いやる一文を添えると、喪中でも温かみのある挨拶になると言えます。

LINEのスタンプや絵文字を使うときの注意

LINEならではの楽しみがスタンプや絵文字ですが、喪中の挨拶では使い方に配慮が必要です。お正月らしい華やかなスタンプや、「あけおめ」の文字が入ったスタンプは、賀詞を口にするのと同じことになってしまいます。鏡餅や門松、初日の出といった慶事を連想させる絵文字も、喪中の年は控えるのがよいでしょう。

とはいえ、文章だけでは硬すぎて、かえって相手に気をつかわせてしまうこともあります。親しい間柄であれば、落ち着いた色合いの一般的なスタンプや、季節を感じさせる控えめな絵文字を一つ添える程度であれば問題ないと考えられます。大切なのは、華やかさより穏やかさを優先するという視点です。

親しい友人へのLINE例文

「あけおめ」のスタンプは送らず、文章で「昨年はいろいろありがとう。今年も変わらずよろしくね」と伝え、落ち着いた雰囲気のスタンプを一つ添える。

仕事関係や目上の相手には、スタンプを使わず文章のみで丁寧に伝えるほうが安心です。スタンプは相手との距離感によって判断が分かれる要素なので、迷ったときは使わないという選択が無難だと言えます。相手の状況や普段のやり取りを思い浮かべながら、ふさわしいトーンを選ぶとよいでしょう。

喪中はがきとLINE挨拶の使い分け

喪中の年に新年の挨拶を控えることを事前に知らせる手段として、古くから使われてきたのが喪中はがきです。喪中はがきは、年賀状の準備が始まる前の十一月中旬から十二月初旬までに届くように出すのが一般的とされています。これを受け取った相手は、その家へ年賀状を送るのを控えるという流れになります。

一方、LINEは喪中はがきの代わりというより、日常的なやり取りの延長として使うものだと考えられます。普段から年賀状を交わさずLINEだけでつながっている相手には、わざわざはがきを出さず、LINEで簡潔に喪中であることを伝えるという方法もあります。どちらが正解というより、相手との付き合い方に合わせて手段を選ぶのが現実的でしょう。

はがきを出した相手から、行き違いで年賀状やLINEが届くこともあります。その場合でも相手を責めるような対応は避け、感謝の気持ちを示しながら状況を伝えれば、関係はこれまで通り穏やかに続いていくと考えられます。

なお、はがきを送るほど形式ばらせたくない、けれど黙っているのも気が引けるという場合に、LINEはちょうどよい距離感の手段になります。長い文章を連ねる必要はなく、感謝とお願い、そして喪中である旨を短くまとめれば十分です。手段の特徴を理解して使い分けることが、無理のない挨拶につながると言えます。

喪中の挨拶をLINEで送る相手別の例文とコツ

ここからは、喪中の挨拶を実際にLINEで送るときの例文を、相手との関係性ごとに紹介します。友人と上司では言葉づかいが変わり、喪中の相手へ返信する場面ではさらに別の配慮が必要です。そのまま使える文例とあわせて、注意したいポイントを整理していきます。

相手別の新年挨拶の言葉選び

友人へ喪中の挨拶をLINEで送る例文

友人へ送る場合は、堅苦しくしすぎず、いつものトーンを残しつつ祝いの言葉だけを外すのがコツです。喪中であることを相手が知っているかどうかでも文面は変わります。まずは喪中を伝えながら挨拶する場合の例を見ていきます。

喪中を伝える友人へのLINE

「昨年は本当にお世話になりました。実は秋に祖父が亡くなり、喪中のため新年のご挨拶は控えさせてもらいます。今年も変わらず仲良くしてくれたら嬉しいです。」

すでに喪中はがきなどで状況を伝えてある相手なら、改めて事情を書く必要はありません。その場合は感謝と本年のお願いを中心に、短くまとめれば十分です。たとえば「昨年はありがとう。今年もどうぞよろしくね。お互い元気に過ごせますように」といった形であれば、自然で温かい印象になります。

友人へのLINEでは、相手の幸せを願う一文を添えると、喪中でも前向きな気持ちが伝わります。「穏やかでいい一年になりますように」という言葉なら、祝う意味を強く出さずに相手を思う気持ちを示せます。新年の挨拶のバリエーションは、新年の挨拶を友達へ送る例文の記事もあわせて参考にすると、表現の幅が広がるでしょう。

注意したいのは、軽い気持ちで「あけおめ」と打ってしまうことです。送信前に賀詞が入っていないかを一度読み返す習慣をつけると、うっかりした失礼を防げます。親しい相手ほど油断しやすいので、最後の確認を忘れないようにしたいところです。

仕事関係や上司へLINEで送る例文

仕事の相手や上司にLINEで挨拶を送る場合は、友人へのメッセージよりも丁寧な敬語を用いるのが基本です。喪中であっても、旧年中の感謝と本年のお付き合いをお願いする気持ちは変わりません。祝いの言葉を避けつつ、礼を尽くした表現を選びます。

上司へのLINE例文

「旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年もご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。」

喪中であることをあえて伝えるかどうかは、相手との関係によって判断します。会社の上司など事情を知っている相手であれば、無理に書き添える必要はないと考えられます。逆に、状況を知らない取引先などには「昨年身内に不幸がございましたため、新年のご挨拶は控えさせていただきます」と簡潔に添えると、丁寧な印象になります。

ビジネスの場面では、LINEよりメールのほうが適していることもあります。普段の連絡手段がメール中心の相手には、LINEではなくメールで挨拶を送るほうが、相手にとっても受け取りやすいでしょう。

仕事関係の挨拶は、丁寧さと簡潔さの両立が求められます。長文になりすぎると相手の負担になるため、感謝と本年のお願いを軸に二文から三文でまとめるのが適切です。職場での新年の挨拶については、新年の挨拶を職場で伝える例文の記事も参考になります。相手の立場に合わせて言葉を整えることが、信頼を保つうえで大切だと言えます。

喪中の相手からLINEが来たときの返信例文

自分は喪中ではないものの、喪中の相手からLINEで挨拶が届いた、あるいは喪中の相手へ返信する場面もあります。このときに気をつけたいのは、相手の状況に配慮し、こちらからも祝いの言葉を返さないことです。相手が喪中であると分かっている以上、「おめでとう」を含む返信は避けるのが思いやりと言えます。

喪中の相手への返信LINE

「ご連絡ありがとうございます。旧年中はお世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。お体を大切にお過ごしください。」

また、自分が喪中で、相手から「あけましておめでとう」とLINEが届くこともあります。相手は喪中を知らずに送ってきた可能性が高いため、責めるような対応は避けます。お礼を述べたうえで、自分が喪中である旨をやわらかく伝えれば十分です。「メッセージありがとう。実は昨年祖父が亡くなって、新年の挨拶は控えているの。今年もよろしくね」といった返し方であれば、角を立てずに状況を共有できます。

返信のタイミングについては、LINEは年賀状ほど形式を気にしなくてよいとされています。年賀状の返礼は松の内が明けてから出すのがマナーとされますが、LINEであれば松の内を待たずにすぐ返信して構わないと考えられます。相手を待たせず、受け取ったその日のうちに一言返すほうが、かえって自然で誠実な印象になるでしょう。

寒中見舞いに切り替える時期と書き方

喪中の挨拶は、LINEだけでなく寒中見舞いという形で伝える方法もあります。寒中見舞いは、年賀状を出せなかったときや、喪中であることを知らせるときに使える季節の挨拶状です。LINEで簡単に済ませにくい相手や、よりあらたまって伝えたい相手には、寒中見舞いが向いていると言えます。

寒中見舞いを送る時期のタイムライン

寒中見舞いを送る時期は、松の内が明けてから立春までの間が目安です。松の内は地域によって異なり、関東ではおおむね一月七日まで、関西では一月十五日までとされています。そのため、寒中見舞いは一月八日ごろから二月四日ごろまでに相手へ届くように出すのが適切です。遅くとも一月中に届くよう手配しておくと安心でしょう。

書き方の基本は、季節の挨拶から始め、年賀状をいただいたお礼、喪中である報告、相手の健康を気づかう言葉、そして日付という流れです。たとえば「寒中お見舞い申し上げます。ご丁寧に年賀状をいただきありがとうございました。昨年身内に不幸がございましたため、年始のご挨拶を控えさせていただきました」といった構成にすると、過不足なく伝えられます。

寒中見舞いには年賀はがきを使わず、通常のはがきや落ち着いた絵柄のものを選びます。LINEで先に簡単な返事をしたうえで、あらためて寒中見舞いを送るという二段構えも丁寧な対応です。手段ごとの役割を理解して組み合わせると、相手に失礼のない挨拶ができると考えられます。年末年始のやり取りは、年末の挨拶をLINEで送る記事もあわせて読むと全体像がつかみやすくなるでしょう。

喪中の挨拶をLINEで送るときのまとめ

喪中の挨拶をLINEで送るときは、祝いの言葉を避けつつ、感謝と本年のお願いを伝えるのが基本だと言えます。「あけましておめでとう」「謹賀新年」といった賀詞は控え、「旧年中はお世話になりました」「本年もよろしくお願いいたします」といった言葉に置き換えれば、喪中でも自然な挨拶になります。お正月らしい華やかなスタンプや絵文字も、この期間は控えるのが無難です。

相手によって言葉づかいを変えることも大切です。友人には柔らかい口調で、上司や取引先には敬語で丁寧に、親族にはいたわりを添えて送ると、それぞれの関係にふさわしい挨拶になります。喪中の相手から挨拶が届いたときは、お礼を述べたうえで祝いの言葉を返さないという配慮を忘れないようにしたいところです。

あらたまって伝えたい相手には、寒中見舞いという手段もあります。松の内が明けてから立春までの間に届くように出し、年賀状へのお礼と喪中の報告を添えれば、丁寧な対応になります。手段の違いを理解し、相手と自分の状況に合わせて言葉を選ぶことが、喪中の挨拶をLINEで気持ちよく交わすうえで何より大切だと言えるでしょう。

より詳しいマナーを確認したい場合は、イオンのお葬式の喪中の新年挨拶の解説や、くらしの友による喪中の対応方法の記事阪急百貨店による喪中の新年挨拶マナーの解説も参考になります。