電話の挨拶は何が正解?場面別の例文を解説!
取引先や社内からかかってくる電話の挨拶は、最初の一言で相手が受ける印象が大きく変わります。受話器を取った瞬間の第一声や、こちらからかけるときの名乗りに迷い、言葉が出てこなかったという方も多いでしょう。
電話は顔が見えないぶん、声と言葉だけで会社全体の印象が決まる場面です。正しい挨拶の型をいくつか覚えておけば、相手やシーンが変わっても落ち着いて応対できます。
この記事では、電話を受けるときとかけるときの挨拶の基本から、取り次ぎや不在対応、電話の切り方まで、場面別の例文をまじえて整理します。新人の方から、改めて電話応対を見直したい方まで役立つ内容です。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- 電話を受けるときとかけるときの第一声と名乗り方
- 「もしもし」を避ける理由と、時間帯による挨拶の使い分け
- 取り次ぎや担当者不在のときに使える挨拶の例文
- 電話を切るときの終わりの挨拶と、折り返しの伝え方
電話の挨拶は基本のマナーで印象が決まる
電話の挨拶には、受けるときとかけるときで決まった型があります。まずはその基本を押さえることで、どんな相手でも安定した応対ができるようになります。ここでは第一声の作り方と、避けたい言葉づかいを順番に確認します。
電話を受けるときの第一声と名乗り方
かかってきた電話は、基本的に三コール以内に出るのが望ましいとされています。これは相手に待たされていると感じさせないための配慮です。受話器を取る前にメモとペンを手元に用意し、利き手と逆の手で受話器を持つと、そのまま要点を書き取れます。
第一声は「お電話ありがとうございます」と明るい声で述べ、続けて社名と自分の名前を名乗ります。外線では相手が誰に向けて話しているのか分からないため、社名を省かないことが大切です。声のトーンがそのまま会社の印象になると考えられます。
お電話ありがとうございます。株式会社○○、営業部の田中でございます。
電話では表情が見えないぶん、声の高さや話す速さがそのまま印象につながります。普段より少し高めの声で、口角を上げて話すと、明るく丁寧な雰囲気が伝わりやすくなります。早口になると聞き取りにくくなるため、相手のペースに合わせて落ち着いて話すことを心がけると良いでしょう。特に第一声は会社の顔となるため、安定したトーンで名乗ることが大切です。
相手が名乗ったら会社名と名前を復唱して確認し、「いつもお世話になっております」と返します。聞き取れなかったときは曖昧なままにせず、「恐れ入りますが、もう一度お名前を伺ってもよろしいでしょうか」と丁寧に確認するのが適切です。確認をためらって取り次ぎを間違えるより、その場で聞き直すほうが信頼につながります。
相手の会社名と名前を復唱するときは、「株式会社○○の鈴木様でいらっしゃいますね」と確認すると、聞き間違いを防げます。担当者あての電話であれば「鈴木でございますね、ただいま代わります」と続け、用件が自分あてであればそのまま承ります。最初の数秒で相手の情報を正しくつかむことが、その後の応対の質を左右すると考えられます。
電話をかけるときの挨拶と名乗りの順番
こちらから電話をかけるときは、相手が出たらすぐに用件を話すのではなく、挨拶と名乗りを先に済ませます。順番としては、最初に「お世話になっております」と挨拶し、続けて社名と名前を伝え、それから取り次ぎや用件に入る流れが基本です。
電話をかける前には、話す用件を簡単にメモへまとめておくと、挨拶のあとにスムーズに本題へ入れます。伝えたい点を先に整理しておけば、相手の時間を無駄にせず、要領を得た会話ができます。また、相手の都合に配慮し、始業直後や昼休み、終業間際など慌ただしい時間帯はできるだけ避けるのが望ましいとされています。どうしてもその時間にかける場合は、「お昼の時間に恐れ入ります」と一言添えると丁寧です。
相手の時間をいただく以上、「お忙しいところ失礼いたします」と一言添えると、より丁寧な印象になります。名乗りは早口になりやすいので、社名と名前をはっきりと区切って伝えることを意識すると良いでしょう。
お世話になっております。○○商事の佐藤と申します。恐れ入りますが、購買部の鈴木様はいらっしゃいますでしょうか。
取引のない相手や初めて連絡する相手には、「お世話になっております」は実情に合いません。その場合は「初めてお電話いたします」「突然のお電話で失礼いたします」と切り出すのが自然です。相手との関係に応じて挨拶を選ぶことで、形だけの言葉になるのを防げます。
「もしもし」を使わない理由と言い換え
日常会話では当たり前の「もしもし」ですが、ビジネス電話では避けるのが一般的です。「もしもし」はもともと「申します申します」が略された言葉とされ、くだけた響きを持つため、相手によっては軽い印象や上から目線の印象を与えてしまうことがあります。
受けるときは「もしもし」の代わりに「お電話ありがとうございます」、かけるときは「お世話になっております」を第一声にすれば、同じ場面を丁寧に置き換えられます。電話の途中で相手の声が聞こえにくくなったときも、「もしもし、聞こえますか」ではなく、「恐れ入ります、お電話が少し遠いようです」と伝えると角が立ちません。
なお、相手が個人の携帯電話で出た場合でも、ビジネスの用件であれば「もしもし」は使わず、「お世話になっております」から始めるのが無難です。社内の親しい同僚が相手であっても、改まった電話では同じ型を使っておくと、誰が聞いても失礼のない応対になります。日頃から丁寧な言い回しに慣れておけば、急な来客や役職者からの電話でも慌てずに対応できるでしょう。
声が遠いと感じたときは、「お声が遠いようです」と相手のせいにしない言い回しを使うと、こちらの回線環境が原因の場合でも失礼になりません。電話が途中で切れてしまったときは、原則としてかけた側からかけ直すのがマナーと言えます。
時間帯と相手で変える挨拶の使い分け
挨拶の言葉は、時間帯や相手によって少し調整すると、より自然で気持ちのよい応対になります。たとえば朝の始業から十時ごろまでは、「お電話ありがとうございます」を「おはようございます」に置き換える会社も多くあります。社内同士の電話であれば、社名を省いて「おはようございます、営業部の田中です」と名乗ると簡潔です。
相手が社外か社内か、目上か同僚かによっても、添える言葉が変わります。次の表に、代表的なシーンごとの第一声をまとめました。
| シーン | 第一声の例 |
|---|---|
| 社外からの電話を受ける | お電話ありがとうございます。○○でございます |
| 朝の時間帯に受ける | おはようございます。○○でございます |
| 社外へかける | お世話になっております。○○社の△△と申します |
| 初めての相手へかける | 初めてお電話いたします。○○社の△△と申します |
| 社内へかける | お疲れさまです。営業部の△△です |
季節や天候に応じて一言を添えると、挨拶の印象がいっそうやわらかくなります。暑い時期や寒い時期、雨の日などにこちらからかけるときは、「お忙しいところ恐れ入ります」に加えて、ねぎらいの言葉を軽く添えると丁寧です。ただし前置きが長くなると本題が伝わりにくくなるため、相手の状況を見て自然な範囲にとどめると安心です。
このように、土台となる型は同じでも、時間帯や相手に合わせて言葉を一つ二つ変えるだけで印象は大きく変わります。迷ったときは丁寧すぎるくらいの挨拶を選んでおくほうが安全です。
電話の挨拶は場面別の例文で迷わなくなる
基本の型を覚えたら、次は実際の場面で使える例文を押さえておくと安心です。ここでは取り次ぎや不在対応、電話の切り方など、判断に迷いやすい場面の挨拶を例文とともに紹介します。
取り次ぎと保留をお願いするときの例文
電話を取り次ぐときは、相手を待たせる時間を最小限にする配慮が求められます。担当者につなぐ前には、相手の会社名と名前、用件を確認し、必ず保留にしてから取り次ぎます。すぐ近くの席へつなぐ場合でも、社内の会話が相手に聞こえないよう保留にするのが基本です。
○○の件でございますね。ただいま担当の鈴木におつなぎいたします。少々お待ちくださいませ。
保留が長くなりそうなときは、いったん保留を解いて「お待たせして申し訳ございません。もう少々お時間をいただけますでしょうか」と状況を伝えると、相手の不安をやわらげられます。取り次ぐ相手にも、「○○様より、△△の件でお電話です」と要点を添えると、引き継ぎがスムーズになると考えられます。
取り次ぎの際に相手の名前や用件を聞き取れなかったときは、自分の判断で適当につながず、もう一度確認します。聞き間違いのまま取り次ぐと、担当者が同じ説明を相手にさせてしまい、二度手間になります。担当者がすぐに出られないときは、こちらからかけ直す方法と、このままお待ちいただく方法のどちらがよいかを相手に選んでもらうと親切です。担当者が別の電話に出ている場合は、「申し訳ございません、ただいま別の電話に出ております」と伝え、終わり次第の折り返しを提案します。
担当者が不在のときの挨拶と例文
担当者が不在のときは、まず「申し訳ございません」「あいにく」といったクッション言葉を添えてから、不在であることを伝えます。これらの言葉がないと、相手に冷たい印象を与えてしまうため注意が必要です。続けて、戻りの見込みや折り返しの提案など、その後の流れを具体的に示します。
申し訳ございません。あいにく鈴木は席を外しております。戻り次第、こちらからお電話を差し上げてもよろしいでしょうか。
外出や会議など、状況に応じて言い方を変えると、より丁寧に伝わります。会議中であれば「ただいま会議中でございます。午後五時には終わる予定です」、終日不在であれば「本日は終日外出しており、戻りの予定がございません」と、戻りの目安を添えると親切です。折り返しを提案するときは、相手の電話番号と都合のよい時間を確認しておきます。
不在対応で大切なのは、ただ「おりません」と伝えて終わらせないことです。相手は用件があってかけてきているため、戻りの目安や代わりの対応を示すことで、次の行動につなげられます。自分が代わりに用件を聞ける場合は、「私でよろしければご用件を承ります」と申し出ると、相手の手間を減らせます。伝言を預かったときは、相手の会社名と名前、電話番号、用件、かかってきた時刻をメモし、担当者へ正確に申し伝えることが大切です。最後に「○○が承りました」と自分の名前を伝えておくと、相手も安心できます。
電話を切るときの終わりの挨拶
用件が済んだら、最後の挨拶で気持ちよく締めくくります。基本は、用件と次の対応を復唱で確認し、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べてから、「それでは、失礼いたします」と続ける流れです。
「失礼いたします」は電話を切る合図になるため、自分からかけたときは、かけた側が先に伝えてから切るのが基本です。受けた側は「失礼いたします」を使わずに切るほうが無難とされています。目上の方やお客様にこちらからかけた場合は、挨拶の後すぐに受話器を置かず、相手が切るのを数秒待ってから静かに置くと、より丁寧な印象になります。
電話を切る前には、決めた内容に行き違いがないか、もう一度要点を確認しておくと安心です。日時や金額、担当者名など、間違えると影響の大きい情報は、復唱して相手と認識をそろえておきます。最後の挨拶まで気を抜かずに対応することで、会話全体の印象がよくまとまります。
受話器をたたきつけるように置くと、その音が相手に伝わってしまいます。固定電話では、フックを指でそっと押してから受話器を戻すと、最後まで感じのよい応対になると言えます。携帯電話やスマートフォンの場合も、相手が切ったことを確認してから通話を終えると丁寧です。
折り返し・留守番電話の挨拶
折り返しの電話をかけるときは、最初に「先ほどはお電話をいただき、ありがとうございました」と一言添えると、行き違いがなくスムーズに本題へ入れます。相手が不在で留守番電話につながった場合は、用件を簡潔に残します。
お世話になっております。○○社の田中と申します。先ほどお電話をいただいた件でご連絡いたしました。改めて、午後三時ごろにこちらからお電話いたします。よろしくお願いいたします。
留守番電話では、社名と名前、用件、こちらの連絡先や次の行動をはっきり伝えることが大切です。長く話しすぎると要点が伝わりにくくなるため、二十秒ほどでまとめる意識を持つと良いでしょう。かけ直しの予定を残しておくと、相手も対応しやすくなります。
折り返しの電話は、相手から指定された時間があればその時間に合わせ、特に指定がなければなるべく早めにかけ直すのが基本です。留守番電話に用件を残すときは、早口にならないよう注意し、電話番号はゆっくりと区切って伝えます。相手が後から聞き返しても分かるように、名乗りと連絡先は最後にもう一度繰り返すと、より親切な伝言になります。
電話の挨拶に関するよくある質問
ここでは、電話の挨拶で迷いやすい点について、よく寄せられる疑問に答えます。
三コールを過ぎて出たときは何と言えばよいですか
三コール以上鳴ってから出たときは、第一声の前に「お待たせいたしました」と添えます。続けて「お電話ありがとうございます。○○でございます」と名乗れば、遅れたお詫びと挨拶を自然につなげられます。
「お世話になっております」は誰にでも使ってよいですか
取引のある相手には問題なく使えますが、初めての相手や面識のない相手には実情に合いません。その場合は「初めてお電話いたします」と切り出すほうが適切です。相手との関係を踏まえて選ぶことが大切と言えます。
電話の途中で切れてしまったらどうすればよいですか
通話が途中で切れたときは、原則としてかけた側からかけ直します。つながったら「申し訳ございません。お電話が切れてしまいました」と一言添えてから、続きの用件に入ると丁寧です。
社内の電話でも丁寧な挨拶は必要ですか
社内であっても、第一声の挨拶は省かないほうがよいでしょう。「お疲れさまです」と名乗るだけでも、誰からの電話かがすぐに伝わり、相手も応対しやすくなります。社外ほど改まる必要はありませんが、最低限の挨拶と名乗りは社内でも基本と言えます。
電話の挨拶を場面別に使いこなすまとめ
電話の挨拶は、受けるときは「お電話ありがとうございます」、かけるときは「お世話になっております」という第一声を土台に、相手やシーンに合わせて言葉を調整するのが基本です。「もしもし」を避け、社名と名前をはっきり名乗るだけでも、応対の印象は大きく変わります。
取り次ぎでは保留を徹底し、不在対応ではクッション言葉と戻りの目安を添える、電話を切るときはかけた側が先に「失礼いたします」と伝える、といった型を覚えておけば、迷う場面はぐっと減るでしょう。電話の挨拶は、いくつかの例文を声に出して練習しておくことで、いざというときに自然と口から出るようになります。本記事の例文を手元に置き、日々の応対に役立てていただければ幸いです。
電話応対に苦手意識がある場合は、よく使う第一声や不在対応の例文を紙に書き出し、目につくところに貼っておく方法も効果的です。何度か声に出して読むうちに、特別に意識しなくても自然な挨拶ができるようになります。一本一本の電話を丁寧に積み重ねることが、相手から信頼される応対への近道と言えるでしょう。
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