結婚を決めた二人にとって、最初の大きな関門が親への結婚の挨拶です。中でも「どちらの家に先に伺うのか」という結婚の挨拶の順番で迷う方は少なくありません。順番を誤ると、悪気がなくても両家の心証を損ねてしまうことがあります。

本記事では、結婚の挨拶の基本の順番から、当日までの流れ、手土産や服装のマナーまでを一つずつ整理します。婿養子や遠方といった例外への対応もあわせて確認していきましょう。

読み終えるころには、自信を持って両家へ挨拶に伺える状態になっているはずです。段取りを押さえ、誠意が伝わる挨拶を目指しましょう。

この記事で分かることは、次のとおりです。

  • 結婚の挨拶はどちらの家が先かという基本の順番
  • 順番を入れ替えてよいケースと当日までの流れ
  • 手土産の相場やのし(熨斗)の考え方と渡し方
  • 男女別の服装マナーと避けたい話題のポイント

結婚の挨拶の順番と当日までの流れ

まずは結婚の挨拶の順番の基本を押さえ、日程の決め方から当日の進行までを一続きの流れとして理解しておきましょう。ここが整うと、当日の緊張も大きくやわらぎます。

結婚の挨拶の順番フロー図

どちらの家が先?結婚の挨拶の基本の順番

結婚の挨拶は、一般的に男性が女性の実家へ先に伺うのが基本とされています。娘を送り出す側の親に対して、男性がまず結婚の意思と誠意を示し、信頼を得るという意味合いがあるためです。

その後に、女性が男性の実家へ挨拶に伺い、両家それぞれへ順に礼を尽くします。この流れが整ってから、両家がそろう顔合わせや食事会へ進むと考えられます。二軒の挨拶を続けて同じ日に済ませるより、それぞれの家に日を分けて向き合うほうが、一つひとつの挨拶を丁寧に行える点で望ましいと言えます。移動の負担が大きい場合は、二人で日程をよく相談して無理のない計画を立てましょう。

順番そのものは絶対のルールではありませんが、年配の親世代ほど慣習を重視する傾向があります。まずは基本形を押さえたうえで、相手の家の考え方に合わせる姿勢を持つことが大切でしょう。

どちらから伺う場合でも、事前に二人で相談し、両家の親へ「近いうちに挨拶に伺いたい」と伝えておくと、当日までの準備がスムーズに進みます。突然の訪問は相手を慌てさせるため、必ずアポイントを取ってから伺いましょう。

なお、男性から女性の親へ連絡を入れる際は、電話で日程の候補をいくつか挙げ、相手の都合を優先して決めるのが丁寧です。娘の交際を親がまだ知らない段階であれば、女性から親へ「結婚を考えている人がいて、挨拶に来たいと言っている」と先に伝えておくと、当日の空気がやわらぎます。順番の話は、こうした事前のひと手間があってこそ活きてくると言えるでしょう。

順番を入れ替えてもよいケース

基本形はあくまで目安であり、事情によっては順番を入れ替えても失礼にはあたりません。たとえば、どちらかの実家が遠方にあり、まとめて帰省する必要がある場合などです。

仕事の都合で日程調整が難しいときや、親の体調・予定の関係で先方から日取りを指定されたときも、柔軟に対応して構いません。大切なのは順番の形式よりも、誠実に礼を尽くす姿勢だと言えます。

また、男性が婿養子として女性の家に入る場合は、先に男性側の親へ挨拶に行くケースもあります。家の事情によって最適な順番は変わるため、迷ったときは両家の親の考えを事前に確認しておくと安心です。

順番を変えるときの一言(例文)。「遠方のため、先に私の実家へご一緒いただく形でも差し支えないでしょうか」と、理由を添えて相手へ相談すると角が立ちません。

地域によっては、昔ながらの慣習を強く重んじる家庭もあります。相手の家がどちらの順番を想定しているか読み切れないときは、女性を通じて親の考えをそれとなく確認しておくと安心です。形式を外すこと自体が問題なのではなく、相手への配慮を欠いたまま自己判断で進めてしまうことが、心証を損ねる原因になります。

兄や姉がすでに結婚している場合など、家庭ごとの前例が判断材料になることもあります。迷ったら基本形を土台にしつつ、両家が納得できる落としどころを二人で丁寧に探る姿勢が大切でしょう。

挨拶の日程を決める時期と訪問の時間帯

結婚の挨拶は、プロポーズが成立してから2週間〜1か月後を目安に日程を組むのが一般的です。あまり間が空くと熱意が伝わりにくく、急ぎすぎても準備が整いません。

訪問の時間帯は、食事どきと重ならない14時から17時ごろが無難です。相手側にも準備の余裕が生まれ、長居になりすぎるのを防げます。

当日は約束の時間ちょうどではなく、3分ほど過ぎたころにチャイムを鳴らすと、相手が迎える準備を整えやすくなります。もし5分以上遅れそうな場合は、わかった時点で必ず電話を入れましょう。

日取りを決める際は、六曜を気にする家庭もあります。相手の親が縁起を重んじる場合は、大安や友引を選ぶと丁寧な印象につながると言えるでしょう。

曜日は、相手の親が働いているかどうかで選び方が変わります。平日の夜より、ゆとりのある土日の日中を希望されることが多いため、まずは相手の生活リズムに合わせて候補日を挙げるのが無難です。年末年始やお盆などの繁忙期は、来客や帰省が重なりやすいので避けたほうがよいと考えられます。

訪問の所要時間は、長くても2時間ほどを見込んでおきましょう。滞在が長引くと相手の負担になるため、あらかじめ「1時間半ほどでおいとまする」といった心づもりをしておくと、当日の進行にメリハリが生まれます。

当日の流れと伝える言葉の例文

結婚の挨拶当日の流れの図

当日は、玄関先での挨拶から始まり、部屋に通されたら軽い歓談で場をやわらげます。手土産は着席してから渡すのが基本です。頃合いを見て、いよいよ結婚の申し出を伝えます。

結婚の意思を伝える言葉は、飾りすぎず率直にまとめるのが好印象です。次のような言い回しが定番だと考えられます。

結婚の申し出(例文・男性)。「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇さんと結婚させていただきたく、ご挨拶に参りました。未熟な点もありますが、精一杯大切にしてまいります」

結婚の申し出(例文・女性)。「〇〇さんと一緒に、あたたかい家庭を築いていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」

承諾を得たあとは、緊張をほぐしながらなごやかに歓談し、人柄を知ってもらう時間にします。長居は禁物で、1〜2時間ほどを目安に、場が和んだところでおいとまを告げるのが礼儀正しい流れです。

緊張のあまり言葉に詰まっても、慌てる必要はありません。用意した言い回しを一言一句なぞる必要はなく、自分の言葉でゆっくり伝えれば誠意は十分に伝わります。沈黙が続いたときは、二人のなれそめや将来の暮らしについて素直に話すと、自然に会話が広がります。

帰り際には、時間を割いてもらったお礼を必ず伝えましょう。「本日はありがとうございました。改めてご連絡いたします」と締めくくると、次の顔合わせや結婚準備へスムーズにつながります。玄関を出るまで気を抜かず、見送りにも丁寧に応じる姿勢が好印象を残します。

結婚の挨拶で差がつく手土産と服装のマナー

順番や流れと並んで印象を左右するのが、結婚の挨拶に持参する手土産と当日の服装です。細部まで配慮が行き届いていると、誠実さがより伝わりやすくなります。

手土産の相場とのしの早見表

手土産の相場とのし(熨斗)の考え方

手土産の相場は、3,000円から5,000円ほどが中心です。安すぎると軽い印象になり、高価すぎると相手に気を遣わせてしまうため、この価格帯が無難だと言えます。

のし(熨斗)については、必ずしも必要ではありません。結婚の挨拶は許しをいただく場であり、お祝いの贈り物とは性質が異なるためです。時間を割いてもらったお礼という位置づけで考えると分かりやすいでしょう。

きちんとした印象を大切にしたい場合は、表書きを「御挨拶」とし、紅白の蝶結びに自分の名字を記した熨斗紙をかけてもらう方法もあります。どちらを選んでも失礼にはあたりません。

項目 目安・考え方
相場 3,000〜5,000円が中心
のしの有無 基本は不要。つけるなら表書きは「御挨拶」
水引 紅白の蝶結びを選ぶ
名入れ 贈る側(自分)の名字を記す

のし紙をかけるか外すかで迷ったときは、より丁寧な「御挨拶」を選んでおくと、後悔のない選択になりやすいと考えられます。手土産を購入する際に、店員へ「結婚の挨拶に持参する」と伝えれば、適切な掛け方を提案してもらえます。

両家で手土産の格をそろえておくと、後々の気まずさを避けられます。二人で相場を共有し、極端に高価な品や安価な品にならないよう調整しておくのがおすすめです。金額だけでなく、包装やのしの有無まで話し合っておくと、両家の足並みがそろいます。

喜ばれる手土産の選び方と避けたい品

手土産の定番は、手元に残らない食べ物です。相手に負担を残さず、家族で分けやすい点が好まれます。日持ちのする焼き菓子や和菓子が選ばれやすい傾向にあります。

縁起をかつぐなら、末永いお付き合いを願うカステラ、二つが合わさる最中やどら焼き、年輪を重ねるバウムクーヘンなどが好適とされています。相手の親の好みを事前にリサーチしておくと、心遣いがより伝わります。

一方で、割れるせんべいや、切り分けが必要な大きな羊羹・ホールケーキは、縁起の面から避けたほうが無難です。日持ちしない生ものも、相手にすぐ食べる負担をかけるため慎重に選びましょう。

相手の家族に食物アレルギーや苦手なものがないか、事前にわかる範囲で確認しておくと安心です。日持ちや保存方法も大切な視点で、常温で日持ちする焼き菓子は相手の負担が少なく、幅広い家庭で無難に喜ばれます。冷蔵や冷凍が必要な品は、相手の冷蔵庫の都合を考えると避けたほうが親切です。

地元の名産品を選ぶと、会話のきっかけにもなります。「この土地で古くから親しまれている品で」といった背景を添えると、手土産そのものが話題を生みます。手土産選びに迷ったときは、同棲挨拶の手土産でおすすめは何?選び方のマナーを解説!もあわせて参考にしてみてください。

手土産を渡すタイミングと渡し方

手土産を渡すタイミングは、訪問先が実家か外食先かで変わります。実家に伺う場合は、部屋に通されて着席したあとに渡すのが基本です。玄関先で慌てて渡すのは避けましょう。

外食先で挨拶をする場合は、食事の最後、相手が帰るタイミングで渡すのが一般的です。荷物にならない配慮として、席に着いている間は預かってもらうより手元に置いておくとスマートです。個室を予約しておくと、周囲を気にせず落ち着いて話せるため、外食での挨拶では会場選びも意外と重要になります。会計は挨拶に伺った側が済ませておくと、より丁寧な印象につながります。

渡し方にもマナーがあります。紙袋や風呂敷のまま差し出すのではなく、いったん取り出し、包みの正面を相手に向けて両手で手渡すのが正式です。紙袋は持ち帰るのが基本ですが、相手がよければ渡しても構いません。

「心ばかりですが、お口に合いましたら」といった一言を添えると、より丁寧な印象になります。「つまらないものですが」という言い回しは、近年へりくだりすぎと受け取られることもあるため、前向きな一言に置き換えると自然です。取り出した紙袋はたたんで持ち帰るのが基本ですが、相手が「袋のままで」とすすめてくれた場合は、素直に従って構いません。粗品を渡す作法は引っ越し退去時の挨拶で粗品は必要?選び方を解説!でも触れているので、渡し方の参考になります。

男性・女性別の服装マナー

男女別の服装マナー比較図

服装は、清潔感と落ち着きを最優先に選びます。男性はネイビーやグレーのスーツにネクタイを合わせ、白か淡い色のシャツを選ぶのが基本です。新調する必要はありませんが、シワや汚れがないか前日に確認しておきましょう。

女性は、清潔感のあるワンピースが定番です。地味すぎず派手すぎない色を選び、露出を抑えたひざ丈が安心感を与えます。ストッキングを着用し、羽織りものを一枚用意しておくと、季節や室温に対応しやすくなります。

髪型や爪、香りといった細部も見られています。奇抜さを避け、全体を整えることが誠実さの表れになると言えるでしょう。服装で迷ったら、相手の家庭の雰囲気に合わせて格を調整するのがコツです。

季節によっても装いの工夫が必要です。夏は涼しげでも露出を抑えた素材を選び、汗の対策を整えておきましょう。冬はコートを玄関に入る前に脱ぎ、腕にかけて持つのが礼儀です。室内で暑さや寒さに対応できるよう、脱ぎ着しやすい一枚を用意しておくと安心できます。

結婚に向けた挨拶の言葉づかいは、新郎父の挨拶でユーモアはどう入れる?例文付きで解説!も参考になります。場面ごとの言い回しを知っておくと、当日の会話にも余裕が生まれます。

結婚の挨拶に関するよくある質問

ここでは、結婚の挨拶の順番やマナーについて、多くの方が疑問に感じる点をまとめて確認します。細かな不安を解消しておきましょう。

結婚の挨拶は電話やオンラインでもよい?

基本は対面で伺うのが望ましいとされています。結婚という人生の節目の報告は、直接会って誠意を伝えることが重んじられるためです。ただし、遠方や事情でどうしても難しい場合は、まずは電話やオンラインで挨拶し、後日改めて対面の機会を設けると丁寧です。その際も、「本来であれば直接お伺いすべきところ」と一言添えると、相手への配慮が伝わります。画面越しでも、服装や背景を整え、対面と同じ心構えで臨むことが大切だと言えます。

顔合わせ食事会と結婚の挨拶は何が違う?

結婚の挨拶は、それぞれの親から結婚の承諾を得るための場です。一方の顔合わせ食事会は、承諾を得たあとに両家がそろって親睦を深める場を指します。まず各家への挨拶を済ませ、その後に顔合わせへ進む順序が一般的だと考えられます。顔合わせでは、結納の有無や結婚式の方向性など、今後の相談を軽く共有することもあります。挨拶と顔合わせを同じ日にまとめるケースもありますが、まずは各家への報告を丁寧に行うことを優先すると、双方の親が安心しやすくなります。

避けたほうがよい話題はある?

初対面の緊張をやわらげようとするあまり、踏み込みすぎた話題は避けるのが無難です。政治や宗教、応援するスポーツチームの話、自慢話や見え透いたお世辞は、価値観の違いが出やすく場を固くします。趣味や出身地、家族の話など、当たり障りのない話題を選ぶと会話が和みます。相手の親が話しやすいように、聞き役に回る意識を持つと好印象です。答えにくい質問をされたときは、その場をごまかさず、正直に、誠実に受け答えする姿勢が信頼につながると言えるでしょう。

結婚の挨拶は順番と誠意が決め手

結婚の挨拶の順番は、男性が女性の実家へ先に伺うのが基本ですが、遠方や婿養子などの事情があれば柔軟に入れ替えて構いません。形式にこだわりすぎず、両家の考え方に配慮する姿勢が何より大切だと言えます。

手土産は3,000円から5,000円ほどの手元に残らない品を選び、のしは基本不要としつつ、丁寧にしたい場合は表書きを「御挨拶」とします。服装は男女とも清潔感を最優先に整えましょう。

当日は時間帯と流れを押さえ、率直な言葉で結婚の意思を伝えれば、誠意はきっと伝わります。細かなマナーは、あくまで相手を敬う気持ちを形にするための手段です。順番や作法にとらわれすぎて表情が硬くなるより、二人で協力しながら準備を進めた過程そのものが、両家へ何よりの安心を届けます。段取りを整えて、気持ちのよい第一歩を踏み出してください。

より詳しい流れや文例は、ゼクシィの親への結婚あいさつマナーマイナビウエディングの結婚挨拶ガイド結婚スタイルマガジンの当日シミュレーションもあわせてご確認ください。