ビジネスシーンやフォーマルな場面で、感謝の気持ちを伝える言葉は数多く存在します。その中でも「感謝申し上げますとともに」という表現は、感謝の意と同時に別の何かを伝えたい場合に用いられる、非常に丁寧で便利なフレーローです。しかし、使い慣れていないと、どのような場面で使うのが適切なのか、どのような言葉を続ければ良いのか迷うこともあるかもしれません。例えば、感謝申し上げますとともに使う例文として適切なものはどのようなものでしょうか。また、感謝いたしますとともにという似た表現との違いや、改めて感謝申し上げますとともに例文を探している方もいらっしゃるかもしれません。この表現は、感謝だけでなく、謝罪やお詫び、または今後のお願いなど、複数の要件を一度に伝える際にも活用できるため、その使い方を理解しておくことはビジネスコミュニケーションにおいて有益と考えられます。
この記事を読むことで、以下のような点が明らかになるでしょう。
・「感謝申し上げますとともに」の基本的な意味と使い方
・ビジネスメールやスピーチでの具体的な例文
・謝罪や今後のお願いなど、応用的な使い方
・「感謝いたしますとともに」など類似表現との違い
感謝申し上げますとともに使う例文の基本と意味
ここでは「感謝申し上げますとともに」という表現の基本的な意味や使い方について説明していきます。このフレーズは、感謝の意を表明しつつ、それに加えて別の事柄（例えば、お願い、報告、謝罪など）を述べる際に使われる丁寧な接続表現です。ビジネスシーンで適切に使いこなすことで、相手に敬意を示し、スムーズなコミュニケーションを図る一助となるでしょう。順に見ていきましょう。
「感謝申し上げますとともに」の正しい意味
ビジネスメールでの具体的な活用シーン
スピーチや挨拶での効果的な使い方
「感謝いたしますとともに」との違いは何か
「感謝申し上げるとともに」のニュアンス
感謝するとともに使う敬語のバリエーション
「感謝申し上げますとともに」の正しい意味
「感謝申し上げますとともに」という表現は、複数の要素から成り立つ敬語表現です。まず、「感謝」はありがたいと思う気持ちを意味します。「申し上げる」は「言う」の謙譲語であり、自分を低め、相手への敬意を高める働きがあります。「ます」は丁寧語です。そして「とともに」は、二つの事柄が同時に、または並行して行われることを示す接続助詞です。
したがって、「感謝申し上げますとともに」全体としては、「感謝を申し上げるのと同時に」「感謝することに加えて」といった意味合いを持つことになります。これは、単に感謝を述べるだけでなく、それに続けて別のメッセージ（例えば、報告、依頼、謝罪、今後の抱負など）を伝えたい場合に用いられる表現です。
この表現の大きな特徴は、感謝というポジティブな内容と、それに続く内容を滑らかに結びつける点にあると考えられます。ビジネスコミュニケーションでは、用件を簡潔に伝えることが求められる一方で、相手への配慮や敬意も欠かせません。このフレーズは、そうした要求に応えるものと言えるでしょう。
例えば、会議への参加に感謝しつつ、資料の送付を報告する場合、「ご参加いただき感謝申し上げますとともに、会議資料をお送りいたします」のように使われます。このように、一つの文脈で二つの異なる情報や意図を、丁寧かつ自然に連結させる役割を果たしているのです。この表現を適切に使うことで、相手に対して配慮深く、礼儀正しい印象を与える効果が期待できるかもしれません。
ビジネスメールでの具体的な活用シーン
ビジネスメールにおいて「感謝申し上げますとともに」は、様々なシーンで活用できる便利な表現です。特に、感謝の意と他の用件を同時に伝えたい場合に適しています。
まず考えられるのは、会議や商談後の御礼メールです。例えば、「本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。深く感謝申し上げますとともに、本日決定いたしました事項を下記にまとめましたので、ご確認いただけますと幸いです」といった形で使用できます。これにより、感謝の気持ちを改めて示しつつ、議事録や確認事項の送付という次のアクションへと自然につなげることが可能になります。
次に、依頼やお願い事をする際のクッション言葉としても有効です。例えば、資料の修正を依頼する場合、単に修正点を指摘するだけでは冷たい印象を与えかねません。そこで、「迅速なご対応に感謝申し上げますとともに、一点、修正をお願いしたい箇所がございます」のように、まずは相手の行動への感謝を述べることで、依頼を受け入れやすくする配慮が示せると考えられます。
また、報告業務においても使用されることがあります。「今期の目標達成、誠におめでとうございます。皆様のご尽力に感謝申し上げますとともに、来期の目標についてご報告いたします」のように、祝福や感謝に続けて、本題である報告事項を切り出す際にも役立ちます。
契約締結や発注の際のメールでも見られます。「この度は、弊社にご発注いただき感謝申し上げますとともに、契約書（案）を添付いたしましたので、ご査収ください」といった使い方です。
このように、メールの本文中で、感謝の言葉に続けて何らかの「報告」「依頼」「連絡」「送付」などを行う際に、この表現は非常に重宝すると言えるでしょう。
スピーチや挨拶での効果的な使い方
スピーチや挨拶といった、大勢の前で話すフォーマルな場面でも「感謝申し上げますとともに」は効果的に使用されます。メールと同様に、感謝の意を表明しつつ、次のトピック（例えば、今後の抱負、お願い、報告など）へ話を移す際の「つなぎ」として機能します。
例えば、着任挨拶のスピーチでは、「この度、〇〇に着任いたしました〇〇でございます。皆様の温かい歓迎に心より感謝申し上げますとともに、一日も早く皆様のお役に立てるよう、誠心誠意努力してまいる所存です」といった形で使われます。まず感謝を述べることで場の雰囲気を和ませ、聴衆の心を開かせた上で、自身の抱負を述べるという流れをスムーズに作ることができます。
また、プロジェクトの完了報告会や祝賀会などでは、「本プロジェクトの成功は、ひとえにご参加いただいた皆様のご支援の賜物です。深く感謝申し上げますとともに、この経験を活かし、さらなる発展を目指してまいります」のように、成果に対する感謝と、未来に向けた決意を表明する際に用いられることも多いでしょう。
株主総会や重要な発表の場においても、「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。株主の皆様の変わらぬご支持に感謝申し上げますとともに、当期の業績についてご報告させていただきます」というように、冒頭の挨拶として、日頃の感謝と本題への導入を兼ねて使われるケースが考えられます。
スピーチでこの表現を使うメリットは、聴衆に対して丁寧で謙虚な姿勢を示せる点です。感謝を先に伝えることで、その後に続く内容が、たとえそれが依頼や報告であっても、肯定的に受け取られやすくなる効果が期待できるかもしれません。話の構成を明確にし、流れを円滑にする役割も担っていると言えるでしょう。
「感謝いたしますとともに」との違いは何か
「感謝申し上げますとともに」と非常によく似た表現に「感謝いたしますとともに」があります。これら二つの表現は、どちらも感謝とそれに続く事柄を伝える丁寧な言い方ですが、敬意の度合いにおいて微妙な違いがあるとされています。
「感謝申し上げますとともに」の「申し上げる」は、「言う」の謙譲語です。謙譲語は、自分の動作をへりくだって表現することで、相手（または話の対象）を立てる敬語です。一方、「感謝いたしますとともに」の「いたす」は、「する」の謙譲語（または丁重語）です。
一般的に、「申し上げる」は特定の相手への敬意を強く示す謙譲語Ⅰ類に分類されることが多いのに対し、「いたす」は謙譲語Ⅰ類（相手を立てる）としても、丁重語（聞き手に対して丁重に述べる）としても使われる謙譲語Ⅱ類（または丁重語）に分類されます。
このため、「申し上げる」を使った「感謝申し上げますとともに」の方が、「いたす」を使った「感謝いたしますとともに」よりも、相手に対する敬意の度合いがより高い、あるいはより改まった表現であると捉えられる傾向があるようです。
とはいえ、どちらも非常に丁寧な表現であることに変わりはありません。ビジネスシーンにおいては、どちらを使用しても大きな問題になることは少ないと考えられます。
使い分けの目安としては、取引先の重役や、非常に重要な顧客、目上の人など、特に高い敬意を払うべき相手に対しては「感謝申し上げますとともに」を選ぶと、より丁寧さが伝わる可能性があります。一方、通常のビジネスメールや、比較的関係性が近い相手に対しては「感謝いたしますとともに」でも十分丁寧な表現として通用するでしょう。文脈や相手との関係性に応じて、より適切と思われる方を選択するのが賢明かもしれません。
「感謝申し上げるとともに」のニュアンス
「感謝申し上げますとともに」と似た形として、「感謝申し上げるとともに」という表現もあります。この二つの違いは、文末に「ます」という丁寧語があるかないかです。
「感謝申し上げますとともに」は、「申し上げます」という形で丁寧語「ます」を含んでおり、文全体として非常に丁寧な「ですます調（敬体）」で構成されています。これは、メールやスピーチなどで聞き手（読み手）に対して直接的に敬意を払う際に用いられる一般的な形です。
一方、「感謝申し上げるとともに」は、「申し上げる」という謙譲語の連体形（または終止形）に接続助詞「とともに」がついています。この形自体は敬語（謙譲語）を含んでいますが、「ます」がないため、文末表現としては完結していません。
この表現が使われるのは、主に文の途中で接続的に用いられる場合や、文章全体が「だ・である調（常体）」で書かれている場合（例えば、論文や報告書の一部など）が考えられます。
しかし、ビジネスメールやスピーチのように、相手への敬意を明確に示す「ですます調」が基本となるコミュニケーションにおいては、「感謝申し上げるとともに、～いたします」のように、文末で再び「ます」などの丁寧語を用いるのが一般的です。
もしメールの文中で「感謝申し上げるとともに、～」と「ます」を省略した形を使うと、人によっては少し丁寧さに欠ける、あるいは中途半端な印象を受ける可能性も否定できません。
基本的には、ビジネスコミュニケーションで相手に直接感謝を伝える際には、「ます」をつけた「感謝申し上げますとともに」を使用するのが最も無難で、かつ高い敬意を示せる形であると言えるでしょう。「感謝申し上げるとともに」という形は、どちらかというと書き言葉的、あるいは文の構造上「ます」を省略する方が自然な場合に限定されるかもしれません。
感謝するとともに使う敬語のバリエーション
「感謝する」という行為を敬語で表現し、さらに「～とともに」と続ける形には、いくつかのバリエーションが考えられます。相手や状況に応じて使い分けることで、より適切なコミュニケーションが可能になるでしょう。
最も敬意が高いとされるのが、これまで見てきた「感謝申し上げますとともに」です。「申し上げる」という謙譲語を使い、相手を最大限に立てる表現です。
次に丁寧な表現として「感謝いたしますとともに」があります。「いたす」という謙譲語（または丁重語）を用います。「申し上げる」ほど堅苦しくなく、幅広いビジネスシーンで使いやすい表現と言えるかもしれません。
もう少し簡潔に、しかし丁寧に伝えたい場合は、「御礼申し上げますとともに」という表現も考えられます。「感謝」を「御礼」という言葉に変えることで、ニュアンスを変えることができます。「御礼」も「感謝」と同様に、ありがたいと思う気持ちを表す言葉です。「厚く御礼申し上げますとともに」のように、程度を強める副詞と組み合わせることも多く見られます。
また、「感謝しておりますとともに」という形も文法的には可能ですが、やや冗長に聞こえる可能性があります。「感謝しております」は「感謝している」の丁寧語ですが、「感謝申し上げます」や「感謝いたします」の方が、行為そのものを謙譲しているため、より敬意が伝わりやすいとされます。
敬語のレベルを少し下げた表現としては、「ありがとうございますとともに」という形も考えられます。これは「感謝する」という漢語表現ではなく、「ありがたい」という和語の丁寧表現を使っています。ただし、「～とともに」という接続は、やや書き言葉的な響きを持つため、「ありがとうございます。あわせて～」のように、一度文を切った方が自然に聞こえる場合も多いかもしれません。
感謝するとともに敬語を使う際は、相手との関係性、状況のフォーマルさ、そして感謝の度合いを考慮し、これらのバリエーションから最適な表現を選ぶことが望ましいでしょう。
感謝申し上げますとともに使う例文の応用と注意点
ここでは「感謝申し上げますとともに」を使った応用的な表現や、使用する際の注意点について調査していきます。このフレーズは、単なる感謝だけでなく、謝罪や未来へのお願いなど、複雑なニュアンスを伝える際にも役立ちます。ただし、使い方を誤ると意図が伝わりにくくなる可能性もあるため、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。順に見ていきましょう。
感謝申し上げますとともに今後ともお願いする表現
感謝申し上げますとともにお詫びする時の注意点
お詫び申し上げますとともに感謝を伝える例文
改めて感謝申し上げますを文末で使う効果
改めて感謝申し上げますとともに使う例文集
感謝申し上げますとともに使う例文の総括（まとめ）
感謝申し上げますとともに今後ともお願いする表現
「感謝申し上げますとともに」というフレーズは、現在の感謝を伝えると同時に、未来に向けた継続的な関係性や支援をお願いする際にも非常に有効です。この使い方は、ビジネス関係を維持・発展させたいという意図を、丁寧に伝えるのに役立ちます。
この場合の「感謝申し上げますとともに」の後には、「今後とも」「引き続き」「変わらぬ」といった、継続性を示す言葉を伴う依頼の表現が続くのが一般的です。
例えば、取引先への感謝を示すメールや手紙の結びとして、以下のような例文が考えられます。
「平素より格別のお引き立てを賜り、心より感謝申し上げますとともに、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます」
これは、日頃の感謝と、これからの継続的な取引を願う気持ちを同時に伝えています。
プロジェクトが無事に完了した際の報告メールなどでは、協力への感謝と、次の機会への期待を込めて使うこともできます。
「この度のプロジェクトへの多大なるご協力に感謝申し上げますとともに、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます」
これは、感謝申し上げますとともに今後ともご指導いただきたい、という謙虚な姿勢を示す表現です。
また、就任挨拶や異動の挨拶などでも活用されます。
「前任在職中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。皆様の温かいご支援に感謝申し上げますとともに、後任の〇〇にも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
このように、自身の感謝と、後任者への支援依頼をスムーズに連結させることができます。
この表現を使うことで、単に「今後ともよろしくお願いします」と伝えるよりも、過去の良好な関係への感謝を土台とした上でのお願いである、というニュアンスが強まり、相手も快く受け入れやすくなる効果が期待できるかもしれません。
感謝申し上げますとともにお詫びする時の注意点
感謝の気持ちと謝罪の意を同時に伝えなければならない状況は、ビジネスシーンにおいて稀ではありません。例えば、相手に何らかの対応をしてもらったものの、こちらの不手際で迷惑をかけてしまった場合などです。このような場面で「感謝申し上げますとともにお詫び申し上げます」という表現を使うことが考えられます。
しかし、この使い方にはいくつかの注意点があるかもしれません。
第一に、感謝とお詫びのどちらが主たるメッセージなのかを明確にすることが重要です。もし、お詫びの度合いが非常に重い場合、先に感謝を述べると、謝罪の真剣さが薄れてしまう可能性があります。深刻なクレームや重大なミスの場合には、まず「深くお詫び申し上げます」と謝罪を最優先にし、その上で「ご指摘いただき感謝申し上げます」と続ける方が適切な場合があります。
第二に、表現の順序が与える印象を考慮する必要があります。「感謝申し上げますとともにお詫び申し上げます」とすると、感謝が先に来ます。これは、例えば「迅速にご連絡いただき感謝申し上げますとともに、確認が遅れましたこと、お詫び申し上げます」のように、相手の行動への感謝をまず伝え、その上でこちらの不手際を謝罪する流れです。
逆に、お詫び申し上げますとともに感謝を伝える形も考えられます。これは次の見出しで詳しく触れますが、「ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げますとともに、寛大なご対応に感謝いたします」のように、謝罪を先に行う形です。
第三に、感謝とお詫びの対象が明確であることが求められます。何に対して感謝し、何に対してお詫びしているのかが曖昧だと、相手を混乱させてしまうかもしれません。「〇〇していただいたことには感謝申し上げますとともに、△△の点については誠に申し訳ございません」と、対象を具体的に示すことが望ましいでしょう。
感謝申し上げますとともにお詫びする表現は、便利である反面、使い方を誤ると誠意が伝わりにくくなるリスクもはらんでいます。状況の深刻度や、相手との関係性を見極めて慎重に使う必要があると言えるでしょう。
お詫び申し上げますとともに感謝を伝える例文
前述の通り、お詫び（謝罪）と感謝を同時に伝える場合、謝罪を先に行う「お詫び申し上げますとともに感謝申し上げます」という構成も頻繁に用いられます。こちらの方が、謝罪の意を先に明確に示すため、特に相手に迷惑をかけた度合いが大きい場合に適していると考えられます。
この表現は、自身の非を認めて謝罪しつつも、それに対する相手の理解や対応、指摘などに対して感謝の意を示す際に使われます。
例えば、納品遅延が発生したものの、顧客が理解を示してくれた場合。
「この度の納期遅延に関しまして、多大なるご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、事情をご賢察いただき、お待ちいただけましたことに心より感謝申し上げます」
このように、まず謝罪を明確にし、その上で相手の寛大な対応への感謝を続けます。
また、こちらのミスを相手に指摘してもらった場合にも使えます。
「資料の記載内容に誤りがございましたこと、誠に申し訳ございません。深くお詫び申し上げますとともに、迅速にご指摘いただけましたこと、厚く御礼申し上げます」
この例文では、ミスを謝罪し、同時に指摘という相手の行動に感謝しています。これにより、単に謝罪するだけでなく、指摘をポジティブに受け止めている姿勢も示すことができます。
トラブル発生時に、相手が迅速に対応してくれた場合も考えられます。
「弊社の不手際により、多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、重ねてお詫び申し上げますとともに、昨日の迅速なご対応には大変助かりました。誠にありがとうございます」
ここでは、謝罪の言葉に加えて、具体的な感謝の対象（迅速な対応）を明記しています。
お詫び申し上げますとともに感謝を伝える表現は、失敗やトラブルをネガティブなだけで終わらせず、相手の協力や理解への感謝を示すことで、その後の関係修復や信頼回復につなげるための重要なコミュニケーションスキルの一つと言えるかもしれません。
改めて感謝申し上げますを文末で使う効果
メールや手紙の本文中で既に感謝の意を伝えた上で、結びの言葉として「改めて感謝申し上げます」と繰り返すことがあります。この表現を文末で使うことには、いくつかの効果が期待できます。
最も大きな効果は、感謝の気持ちを強調し、相手への敬意を深く示すことです。一度述べた感謝をあえて「改めて」と繰り返すことで、その感謝が形式的なものではなく、心からの真摯なものであるという印象を強めることができます。
例えば、メールの冒頭で「昨日はありがとうございました」と述べ、本文で要件を伝えた後、最後に「昨日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。改めて感謝申し上げます」と締めくくることで、感謝の念がより強く相手に伝わるでしょう。
また、この表現は文章全体を丁寧に締めくくる役割も果たします。ビジネスメールでは、本文で依頼や報告など実務的な内容を扱ったとしても、最後は相手への配慮を示す言葉で終えるのがマナーとされています。「改めて感謝申し上げます」という一文は、そうした結びの挨拶として非常に収まりが良く、丁寧な印象を与えます。
特に、相手に何か骨の折れる対応をしてもらった場合や、格別な配慮を受けた場合など、感謝の度合いが特に大きい場合には、この表現が適しています。
ただし、頻繁に使いすぎると、かえって形式的に聞こえてしまう可能性も否定できません。毎回のように「改めて感謝申し上げます」と書くのではなく、本当に感謝を強調したい「ここぞ」という場面で使う方が、その効果は高まると考えられます。
文脈によっては、「重ねて御礼申し上げます」といった類似の表現と使い分けるのも良いでしょう。いずれにしても、改めて感謝申し上げますという文末の表現は、相手との良好な関係を築く上で有効な手段の一つとなり得ます。
改めて感謝申し上げますとともに使う例文集
「改めて感謝申し上げます」という表現をさらに発展させ、「改めて感謝申し上げますとともに」として、感謝の強調と次の内容への接続を同時に行う使い方も考えられます。これは、既に述べた感謝を再確認しつつ、それに加えて未来へのお願いや抱負を述べる際に特に有効です。
この表現は、プロジェクトの完了時、異動や退職の挨拶、または年度末の挨拶など、一つの区切りとなるタイミングでよく使われる傾向があります。
以下に、いくつかのシーンを想定した例文を挙げます。
シーン1：プロジェクト完了時の報告メール
「プロジェクト期間中は、皆様の多大なるご支援を賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に完了できましたこと、改めて感謝申し上げますとともに、この経験を糧に、今後さらなる貢献ができるよう努めてまいります」
ここでは、改めて感謝申し上げますとともに例文として、感謝の再確認と今後の抱負を組み合わせています。
シーン2：退職・異動の挨拶
「在職中は、公私にわたり温かいご指導をいただき、言葉では言い尽くせないほどお世話になりました。皆様と過ごした日々は私にとって貴重な財産です。改めて感謝申し上げますとともに、皆様のますますのご健勝とご活躍を心よりお祈りしております」
この例文では、感謝の強調と、相手の未来を祈る言葉をつなげています。
シーン3：長期の取引先への年度末挨拶
「本年も一年、格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。多大なるお力添えをいただきましたこと、改めて感謝申し上げますとともに、来年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」
これは、改めて感謝申し上げますとともに例文として、一年間の感謝と、来年への継続的なお願いを連結させた、非常に丁寧な表現です。
このように、「改めて」という言葉を加えることで、感謝の深さを一層際立たせつつ、「とともに」を使って次のメッセージへと滑らかに移行させることが可能になります。
感謝申し上げますとともに使う例文の総括（まとめ）
今回は感謝申し上げますとともに使う例文や、その基本的な意味、応用的な使い方についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・「感謝申し上げますとともに」は感謝と別の要件を同時に伝える丁寧な表現
・「申し上げる」は謙譲語で相手への高い敬意を示す
・「とともに」は「～と同時に」「～に加えて」という意味の接続助詞
・ビジネスメールでは会議の御礼と議事録送付などに使われる
・スピーチでは感謝と抱負を述べる際のつなぎ言葉になる
・「感謝いたしますとともに」も丁寧だが「申し上げる」の方が敬意が高いとされる
・「感謝申し上げるとともに」は「ます」がなく文中で使われることが多い
・感謝するのとともに使う敬語には「御礼申し上げますとともに」などもある
・感謝申し上げますとともに今後ともお願いする表現は関係継続を願う際に有効
・「今後とも」「引き続き」といった言葉と併用されることが多い
・感謝申し上げますとともにお詫びする際は謝罪の真剣さが伝わるよう注意
・謝罪が重い場合は「お詫び申し上げますとともに」と謝罪を先にする方が適切な場合がある
・「お詫び申し上げますとともに感謝」は指摘への感謝などにも使える
・「改めて感謝申し上げます」を文末で使うと感謝を強調できる
・改めて感謝申し上げますとともに使う例文は退職挨拶や年度末挨拶などで活用される
この表現は、感謝の気持ちを伝えるだけでなく、その後のコミュニケーションを円滑にするための重要な役割を担っていると言えるでしょう。
この記事で調査した内容が、皆様のビジネスコミュニケーションの一助となれば幸いです。丁寧な言葉遣いを心がけることで、より良い関係構築につながるかもしれません。
