大学の課題や仕事で作成するレポートですが、その締め方に悩んだ経験はありませんか。特に、文章の最後に「以上」と書くべきかどうかは、多くの人が一度は迷うポイントではないでしょうか。レポートの締め方は評価にも影響を与えかねないため、正しい知識を身につけておきたいものです。レポートの最後の一文をどうすれば良いのか、レポートの締め方に関して知恵袋などで情報を探している方もいるかもしれません。この記事では、レポートの締め方の基本から、「以上」の扱われ方、さらには様々な種類のレポートに応じた締め方の例文まで、徹底的に調査し解説していきます。
この記事を読むことで、以下の点が明確になります。
・レポートにおける「以上」の本来の役割と、現代での一般的な見解がわかります。
・様々なレポートの種類に応じた、適切な締め方の具体的な方法と例文を学べます。
・「結論」と「まとめ」の違いなど、レポート作成における基本的な構成要素の理解が深まります。
・自信を持ってレポートを完成させるための、実践的な知識が身に付きます。
レポートの締め方における「以上」の役割と基本的な考え方
ここではレポートの締め方で頻出する疑問、「以上」という言葉の本来の役割や、現代のレポート作成における基本的な考え方について説明していきます。レポート作成の根幹に関わる部分ですので、順に見ていきましょう。
「以上」の本来の意味とは？
レポートで「以上」は必要か不要か
「以上」を使うメリットとデメリット
大学や教授による見解の違い
レポートで「以上」の字数稼ぎは有効か
「以上」以外の締め方の言葉
「以上」の本来の意味とは？
レポート作成時に登場する「以上」という言葉ですが、その本来の意味をご存じでしょうか。この言葉は、元々ビジネス文書や公的な書類において、「これで本文は終わりです」という区切りを明確に示すために使われてきました。特に、箇条書きや複数の項目が続く文書の末尾に置くことで、後から文章が不正に追記されるのを防ぐ役割も担っていたのです。つまり、「以上」は内容の終了と、文書の完全性を示すための形式的な記号としての意味合いが強い言葉と言えるでしょう。しかし、学術的なレポートや論文においては、このような形式的な区切りよりも、内容の論理的な完結性が重視される傾向にあります。結論や考察部分で議論が尽くされていれば、文章がそこで終わることは自明であるため、あえて「以上」と記す必要はないと考えるのが一般的です。このように、文書の種類によって「以上」が持つ意味や必要性が異なることを理解しておくことが、適切なレポートの締め方を考える上での第一歩となるかもしれません。
レポートで「以上」は必要か不要か
レポートの最後に「以上」と書くべきか、それとも書かなくてもよいのか、これは多くの学生や社会人が抱く疑問の一つです。結論から言えば、現代の一般的なレポートにおいては、「以上」は必須ではない、むしろ不要であるという見解が優勢です。その理由は、レポートの構成にあります。通常、レポートは「序論」「本論」「結論」という明確な構成で成り立っており、「結論」部分で論旨が締めくくられることで、文章が完結したことは読み手に十分に伝わります。結論がしっかりと書かれていれば、その時点でレポートの終わりは明らかであり、改めて「以上」と記すのは冗長な印象を与えかねません。ただし、これはあくまで一般的な見解です。提出先のルールや慣習によっては、「以上」を記載することが求められるケースもゼロではありません。例えば、特定の書式が定められている報告書や、一部の理系の実験レポートなどでは、形式を重んじる意味で記載が慣例化している可能性も考えられます。最終的には、提出先の指示や過去の慣例を確認することが最も確実な方法と言えるでしょう。もし指示がない場合は、無理に「以上」と書く必要はないと考えるのが無難かもしれません。
「以上」を使うメリットとデメリット
レポートの締め方で「以上」を使うことには、メリットとデメリットの両面が存在すると考えられます。これらを客観的に把握することで、自身のレポートに「以上」を使うべきかどうかの判断材料になるでしょう。まずメリットとしては、文章の終わりが明確になる点が挙げられます。特に、レポートの構成に不慣れで、結論部分がやや散漫になってしまった場合でも、「以上」と記すことで形式的に文章を締めくくることが可能です。また、提出先によっては、形式を重んじる文化があり、「以上」があることで丁寧な印象を与える可能性も僅かながら考えられます。一方、デメリットはより大きいかもしれません。最も懸念されるのは、稚拙な印象や、字数稼ぎを疑われるリスクです。前述の通り、論理的に完結したレポートであれば「以上」は不要であるため、これがあることで「内容で勝負できていない」と評価される可能性があります。特に、厳しい採点基準を持つ教授や評価者からは、安易な締め方としてマイナスな印象を持たれかねません。さらに、レポート全体の文字数が少ない場合、「以上」という二文字でさえも貴重なスペースの無駄遣いと見なされることもあり得ます。これらのメリットとデメリットを天秤にかけ、自身のレポートの内容や提出先の状況を考慮して、慎重に判断することが求められます。
大学や教授による見解の違い
レポートにおける「以上」の扱いについては、大学や学部、さらには指導教員によって見解が異なる場合があるため、注意が必要です。学術的な文章作法を重視する教育機関や教員は、「以上」の使用を推奨しない傾向が強いと考えられます。その理由は、レポートや論文は論理的な結論をもって完結するものであり、形式的な締め言葉は不要であるという学術界の共通認識に基づいています。このような環境で「以上」を使用してしまうと、レポート作成の基本を理解していないと見なされるリスクさえあります。一方で、より実務的な内容を扱う学部や、特定の書式を重んじる研究室などでは、慣例として「以上」の記載が求められることもあり得ます。例えば、実験レポートや調査報告書など、定型化されたフォーマットが存在する場合には、その形式に従うことが評価の前提となるかもしれません。最も重要なのは、授業のシラバスや課題の指示書を詳細に確認することです。多くの場合、レポートの書式に関する指示が記載されています。もし明確な指示がない場合は、同じ授業を履修している先輩や友人に尋ねてみたり、勇気を出して教員に直接質問してみるのも一つの有効な手段です。独断で判断する前に、まずは提出先のルールを確認するという姿勢が、無用な減点を避けるためには不可欠と言えるでしょう。
レポートで「以上」の字数稼ぎは有効か
レポートの指定文字数に少しだけ足りない時、「以上」と書いて文字数を稼ごうと考えたことはないでしょうか。このレポートで「以上」を使い字数を稼ぐという行為は、有効どころか、むしろ評価を下げる原因になる可能性が高いと考えた方が賢明です。評価者は、レポートの内容や論理構成、考察の深さなどを総合的に見ています。その中で、明らかに意図的な字数稼ぎと見受けられる表現は、レポート全体の信頼性を損ないかねません。「この学生は、内容を充実させる努力を怠り、安易な方法で文字数を満たそうとしている」というネガティブな印象を与えてしまうでしょう。特に、レポートの評価に厳しい教員であれば、このような姿勢そのものを問題視することもあります。もし文字数が足りないのであれば、安易に「以上」で埋めるのではなく、本文の内容を見直すべきです。例えば、本論で展開した議論をより深く掘り下げたり、具体例を追加したり、結論部分での考察をより多角的な視点から記述したりすることで、文字数を増やすと同時にレポートの質を高めることができます。レポートの評価は、文字数という量的な基準だけでなく、内容という質的な基準によって決まることを忘れてはいけません。わずか二文字のために評価を落とすリスクを冒すのは、決して得策とは言えないでしょう。
「以上」以外の締め方の言葉
レポートの最後を「以上」で締めくくることに抵抗がある場合、どのような言葉を使えば良いのでしょうか。「以上」を使わずに、レポートを適切に締めくくるための表現はいくつか存在します。最も一般的で推奨されるのは、結論部分の最後に、本レポートで明らかになったことや、今後の課題を簡潔に述べる一文を加えることです。これが実質的なレポートの最後の一文となります。例えば、「本レポートでの分析を通じて、〇〇という課題が明らかになった。今後は、この課題解決に向けた具体的な方策を検討することが求められる」といった形で締めくくれば、文章は自然に完結します。また、論文の締め方の例を参考に、「本稿が、〇〇に関する理解の一助となれば幸いである」といった表現を使うことも考えられます。これは、レポートが持つ意義や貢献を控えめに示しつつ、知的な印象を与える締め方です。感想レポートの締め方であれば、「この調査を通じて得た学びを、今後の学習に活かしていきたい」のように、自身の成長や今後の抱負を述べるのも良いでしょう。重要なのは、「以上」という形式的な言葉に頼るのではなく、レポートの内容に即した、論理的で前向きな一文で締めくくることです。これにより、レポート全体の完成度を高め、読み手に深い印象を残すことが可能になります。
目的別で見るレポートの締め方と「以上」以外の表現例文
ここでは、レポートの締め方について、より実践的な側面に焦点を当て、「以上」という言葉を使わずにレポートを完結させるための具体的な方法を解説していきます。レポートの種類や目的に応じた適切な締め方を身につけることは、評価を高める上で非常に重要です。順に見ていきましょう。
結論と要約の違いを理解する
考察レポートにおける最後の一文
感想レポートの締め方のコツ
論文の締め方の例に学ぶ作法
レポートの結論の書き出し例
レポートの締め方と「以上」の扱い方の総括
結論と要約の違いを理解する
質の高いレポートを作成するためには、「結論」と「要約」の違いを明確に理解しておくことが不可欠です。この二つは混同されがちですが、その役割は異なります。まず「要約」とは、レポート全体で述べてきた内容の要点を短くまとめたものです。序論で提示した問題提起から、本論で展開した議論やデータ、分析結果などを、簡潔に振り返る部分と言えます。レポートのまとめの書き方の例として、要約は読み手がレポートの全体像を素早く把握する手助けをします。一方、「結論」は、要約で示した内容を踏まえた上で、筆者が最終的に何を言いたいのかを明確に示す部分です。つまり、分析結果から導き出される筆者自身の主張や解釈、考察が中心となります。序論で設定した問いに対する「答え」を提示する場所が結論です。さらに、結論部分では、研究の意義を述べたり、残された課題や今後の展望に言及したりすることもあります。したがって、単に内容をまとめるだけの要約とは異なり、結論には筆者のオリジナリティや深い洞察が求められます。この違いを意識せずにレポートを書くと、結論部分が単なる内容の繰り返しに終始してしまい、評価を下げてしまう可能性があります。レポートの締め方では、まず要約で議論を整理し、その上で説得力のある結論を導き出すという流れを意識することが重要です。
考察レポートにおける最後の一文
考察レポートは、事実やデータを分析し、そこから何が言えるのかを論理的に導き出すことが目的です。そのため、レポートの最後の一文は、その考察の深さを示す上で非常に重要な役割を果たします。単に分析結果を繰り返すのではなく、その結果が持つ意味や、さらにその先にある可能性を示唆することで、レポート全体の価値を高めることができます。例えば、考察の締めくくりとして効果的なのは、今後の展望や課題を提示することです。「本考察の結果、〇〇の有効性が示唆されたが、その適用範囲についてはさらなる検証が必要である」といった一文は、自身の考察に客観的な視点を持ち、研究がまだ途上であることを示す誠実な態度として評価されるでしょう。また、「この知見は、将来の〇〇という分野における新たなアプローチの基盤となり得るだろう」のように、自身の考察が持つ発展的な可能性を示唆するのも良い方法です。これにより、レポートが単なる課題の成果物で終わらず、より広い文脈の中で意義を持つことをアピールできます。重要なのは、言い切りの断定的な表現は避けつつも、自身の考察に基づいた未来への視点を示すことです。このような前向きで建設的な最後の一文は、読み手に知的な刺激を与え、高く評価される可能性を高めるでしょう。
感想レポートの締め方のコツ
感想レポートの締め方は、客観的な分析が中心となる考察レポートとは少し異なります。感想レポートでは、対象となる書籍や映画、出来事などを通して、自身が何を感じ、何を考え、どのように変化したのかを述べることが重要になります。そのため、締めくくりには、個人的な学びや今後の展望を具体的に記述することが効果的です。例えば、「この作品に触れる前と後で、私自身の〇〇に対する考え方が大きく変わった。この変化を大切にし、今後の行動に反映させていきたい」といった締め方は、単なる感想に留まらない深い学びがあったことを示唆します。また、「今回得た視点を、今後の△△の学習においても活かしていきたいと考えている」のように、具体的な今後のアクションプランに繋げることで、レポートの説得力が増します。感想レポートの締め方で避けるべきなのは、「面白かったです」「感動しました」といった抽象的で月並みな表現で終えてしまうことです。なぜ面白かったのか、何にどう感動したのか、そしてその経験が自分に何をもたらしたのかを、自分自身の言葉で語ることが求められます。自身の内面的な変化や成長を真摯に記述することで、読み手はあなたの経験に共感し、レポートを高く評価してくれる可能性が高まるでしょう。
論文の締め方の例に学ぶ作法
大学のレポート、特に専門性の高いレポートを作成する際には、学術論文の締め方の作法を参考にすると、より質の高いものに仕上げることができます。論文における「結論」や「結び」は、非常に厳密な作法に則って書かれており、そのエッセンスを取り入れることは大いに有益です。論文の締め方の例として特徴的なのは、単に要約するだけでなく、複数の要素で構成されている点です。まず、研究全体の結果を簡潔に要約し、序論で提示したリサーチクエスチョンに対する明確な答えを提示します。次に、その研究が持つ学術的な「貢献」や「意義」を述べます。自分の研究が、その分野の知見にどのような新しい光を当てたのかを主張するのです。さらに、誠実な研究態度を示すために、自身の研究が持つ「限界」についても言及します。例えば、調査対象が限られていた、特定の条件下での結果である、といった点を正直に記述します。そして最後に、その限界を踏まえた上で、「今後の展望」や「将来的な課題」を示します。これにより、研究がここで終わりではなく、さらなる探求へと繋がっていくことを示唆するのです。これらの要素を自身のレポートに取り入れることで、論理的で説得力のある、そして何より誠実な学術的姿勢を示すことができます。もちろん、レポートのレベルに応じて簡略化は必要ですが、この「要約・貢献・限界・展望」という構成を意識するだけで、レポートの締め方は格段に洗練されるでしょう。
レポートの結論の書き出し例
レポートの結論部分は、全体の議論を締めくくり、最も重要なメッセージを伝えるセクションです。そのため、書き出しで読み手の注意を引きつけ、これから結論が述べられることを明確に示す必要があります。レポートの結論の書き出し例として、効果的なフレーズをいくつか覚えておくと便利です。最もシンプルで分かりやすいのは、「本レポートでは、〇〇について論じてきた。結論として、△△ということが明らかになった」という形です。これにより、これまでの議論の要約から自然に結論へと繋ぐことができます。また、少し表現を変えて、「以上の分析から、〇〇という問いに対して、△△と結論づけることができる」のように、序論で立てた問いに直接答える形で始めるのも論理的で説得力があります。もう少し柔らかな表現を使いたい場合は、「これまでの考察をまとめると、〇〇については、いくつかの重要な示唆が得られた」といった書き出しも考えられます。これは、断定的な表現を避けつつ、議論の成果を提示する際に有効です。重要なのは、どの表現を使うにしても、「ここからが結論である」という合図を読み手に明確に送ることです。唐突に結論を述べ始めるのではなく、このようなワンクッションを置くことで、読み手は心の準備ができ、あなたの主張をよりスムーズに受け入れることができるようになるでしょう。
レポートの締め方と「以上」についての総括
今回はレポートの締め方、特に「以上」という言葉の扱い方についてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・レポートにおける「以上」は必須ではなく、むしろ不要とされるのが一般的である
・「以上」はビジネス文書等で文章の終わりを明確にするための形式的な言葉である
・レポートは結論や考察で論理的に完結するため、「以上」は冗長と見なされやすい
・「以上」で字数を稼ぐ行為は、評価を下げるリスクが高い
・「以上」の要否は、提出先の指示や慣例を最優先して判断すべきである
・指示がなければ、無理に「以上」は書かない方が無難である
・レポートの締め方は、「結論」と「要約」の違いを理解することが重要である
・「要約」は内容の要点整理であり、「結論」は筆者の主張や考察を示す部分である
・考察レポートの締めでは、今後の展望や課題を示唆すると深みが増す
・感想レポートの締めでは、具体的な学びや内面的な変化を記述することが求められる
・論文の締め方（要約・貢献・限界・展望）を参考にするとレポートの質が向上する
・結論の書き出しは、「本レポートでは〜」のようにワンクッション置くと分かりやすい
・「以上」の代わりに、内容に即した前向きな一文で締めくくるのが効果的である
・レポートの最後の一文は、レポート全体の印象を左右する重要な要素である
・レポート作成に迷ったら、まずはシラバスや指示書を再確認することが基本である
レポートの締め方は、単なる形式ではなく、あなたの考察の深さや誠実な学習態度を示すための重要な表現の場です。本記事で紹介したポイントを参考に、自信を持ってレポートを完成させてください。あなたの努力が正当に評価されることを願っています。
