英語の助動詞の中でも、特に多くの学習者が使い方に悩む単語の一つに「should」が挙げられます。中学校で「～すべきだ」と学んだ記憶があるかもしれませんが、実際の英会話や文章ではそれだけではない意味で使われることが頻繁にあります。このshouldが持つ意味に2つ以上の側面があることをご存知でしょうか。特に「義務」と「推量」という二つの大きな意味合いを理解することが、shouldを使いこなす上での鍵となります。shouldの意味を深く知ることで、微妙なニュアンスを伝えられるようになり、表現の幅が大きく広がるでしょう。shouldの意味が「はずだ」となる場合や、should beとshouldの違い、さらにはshouldの意味として仮定法でどう使われるのかなど、様々な疑問が浮かぶかもしれません。
この記事を読むことで、以下の点が明確になるはずです。
・shouldが持つ「義務」と「推量」という2つの中心的な意味
・文脈からshouldの意味を見分けるための具体的な方法
・should beやshould have p.p.など、shouldを使った様々な表現のバリエーション
・仮定法や提案の文で使われる発展的なshouldの使い方
shouldが持つ意味の2つの核心！義務と推量を徹底解説
ここでは、英語の助動詞shouldが持つ意味の2つの側面、つまり「義務」と「推量」について詳しく説明していきます。多くの人が「～すべきだ」という義務の意味でshouldを覚えているかもしれませんが、実は「～のはずだ」という推量の意味でも頻繁に使われます。この二つの意味を正確に理解し、使い分けることが英語力向上の第一歩と言えるでしょう。このセクションでは、それぞれの意味の基本的な使い方から、両者の見分け方、そして関連する表現までを順に見ていきましょう。
基本の「義務」を表すshouldの意味
もう一つの顔「推量」のshouldの意味とは
shouldの推量と義務の見分け方のコツ
shouldの意味を「はずだ」と捉える際の注意点
shouldの後ろに来る品詞の基本ルール
should beとshouldの違いを例文で比較
基本の「義務」を表すshouldの意味
まず、多くの人が一番に思い浮かべるであろうshouldの意味は、「義務」や「当然」を表す「～すべきだ」「～したほうがよい」というものです。これは、道徳的な正しさや社会的な常識、あるいは個人的なアドバイスとして、何かを行うことが望ましいと伝える際に用いられます。ただ、ここで注意したいのは、同じ「義務」を表す「must」とのニュアンスの違いです。mustが「～しなければならない」という非常に強い強制力や、規則による絶対的な義務を示すのに対し、shouldはもっと穏やかな表現です。言ってしまえば、話者の主観的な判断に基づく助言や提案のニュアンスが強く、「そうすることが良いことですよ」と相手に促すようなイメージになります。例えば、「You should apologize to her.」と言った場合、「あなたは彼女に謝罪すべきだ」という意味になりますが、そこには法的な強制力があるわけではなく、「人間関係を良好に保つためには、それが最善の行動だと私は思います」といった気持ちが込められています。このように、shouldは相手の行動を強制するのではなく、あくまで良い方向へ導くためのアドバイスとして機能することが多いのです。このため、日常会話で友人に対して何かを勧めるときなど、非常に使いやすい表現と言えるでしょう。
もう一つの顔「推量」のshouldの意味とは
前述の「義務」と並んで、shouldが持つもう一つの重要な意味が「推量」です。これは「～のはずだ」と訳され、話者が何らかの根拠に基づいて「きっとこうなるだろう」と予測する際に使われます。この推量は、単なる当てずっぽうではなく、状況証拠や過去の経験から考えて、そうなる可能性が高いと判断していることを示唆します。例えば、「He left an hour ago, so he should be at the office by now.」という文では、「彼は1時間前に出発したのだから、今頃はオフィスにいるはずだ」という意味になります。出発時間という具体的な根拠があるため、話者は彼がオフィスに到着していることに高い確信を持っているのです。このShould推量の用法は、未来の出来事の予測だけでなく、現在の状況に対する推測にも使えます。「This key should open the door.」であれば、「この鍵でドアが開くはずだ」となり、正しい鍵であるという確信が込められています。義務のshouldとは全く異なる使い方ですが、こちらも日常で非常によく使われるため、必ず覚えておきたい用法です。これがなければ、shouldの理解は半分しかできていないと言っても過言ではないかもしれません。
shouldの推量と義務の見分け方のコツ
それでは、shouldが文中で「義務」と「推量」のどちらの意味で使われているのか、その見分け方はどうすればよいのでしょうか。多くの場合、これは文脈全体から判断することが最も確実な方法です。しかし、いくつか判断の助けになるヒントも存在します。まず注目したいのは、文の主語です。主語が「人」であり、その人の行動について言及している場合は「義務」の意味である可能性が高いと考えられます。例えば、「You should finish your homework.」（あなたは宿題を終えるべきだ）のように、人に対して行動を促している文脈です。一方で、主語が「物」や「事柄」である場合は、「推量」の意味であることが多くなります。「The train should arrive on time.」（その電車は定刻に到着するはずだ）という文では、電車という物が主語であり、その状態を推測しています。また、動詞の種類もヒントになります。動作を表す動詞（例: go, eat, study）と共に使われる場合は義務、状態を表す動詞（例: be, arrive, know）と共に使われる場合は推量の可能性が高まる傾向にあります。もちろん、これらは絶対的なルールではありませんが、should推量義務見分け方の有効な手がかりとして活用できるでしょう。
shouldの意味を「はずだ」と捉える際の注意点
shouldの意味を「はずだ」と捉える、つまり推量の用法で使う際には、その確信度について少し注意が必要です。shouldは、ある程度の根拠に基づいた確信度の高い推量を表しますが、決して100%の断定ではありません。あくまで話者の主観的な予測や期待の範囲内にあることを理解しておくことが重要です。例えば、「The weather forecast said it would be sunny, so it should be a good day for a picnic.」という文は、「天気予報が晴れだと言っていたから、ピクニックには良い日になるはずだ」という意味です。しかし、天気予報が外れる可能性もゼロではないため、「絶対になる」と断言しているわけではありません。もし、もっと強い確信、ほとんど疑いのない事実として「～に違いない」と言いたい場合は、「must」を使う方が適切です。逆に、「もしかしたら～かもしれない」という低い可能性を示すのであれば「may」や「might」が使われます。このように、shouldの意味が「はずだ」である場合、その背景には「そうならない僅かな可能性も残されている」というニュアンスが含まれていることを覚えておくと、より正確に意図を読み取ったり、伝えたりすることができるようになります。
shouldの後ろに来る品詞の基本ルール
助動詞であるshouldの使い方をマスターする上で、shouldの後ろにどのような形の言葉が続くのかを理解することは非常に基本的かつ重要です。このルールは非常にシンプルで、shouldの後ろには必ず「動詞の原形」が来ます。動詞の原形とは、-sや-ed、-ingなどが付いていない、辞書に載っているそのままの形のことです。これはshouldが持つ意味が「義務」であろうと「推量」であろうと、あるいは他の用法であっても変わりません。例えば、主語が三人称単数（he, she, itなど）であっても、動詞に-sを付ける必要はありません。「He should go.」が正しく、「He should goes.」は間違いです。同様に、過去のことを表現したい場合でも、shouldの直後の動詞を過去形にすることはありません。過去の内容を表すには、「should have + 過去分詞」という別の形を用いる必要があります。この「shouldの後ろは動詞の原形」という大原則は、英語の助動詞全般に共通するルールでもありますので、ここでしっかりと押さえておくことが、今後の学習をスムーズに進める上で非常に役立ちます。この基本を忘れてしまうと、単純な文法ミスにつながりやすいため、常に意識するように心がけましょう。
should beとshouldの違いを例文で比較
shouldの使い方を学ぶ中で、「should」と「should be」の違いで混乱することがあるかもしれません。この二つの違いは、後ろに続く言葉によって決まります。前述の通り、shouldの後ろには動詞の原形が続きます。これは、何か具体的な「動作」について「～すべきだ」または「～するはずだ」と述べる場合に使われます。例えば、「You should study English.」（あなたは英語を勉強すべきだ）のように、studyという動作が伴います。一方、should beの後ろには、主に「形容詞」「名詞」「場所を表す副詞句」、あるいは「動詞の-ing形」や「過去分詞」が続きます。これは、動作ではなく「状態」や「存在」について「～であるべきだ」「～であるはずだ」と述べたいときに用いる表現です。例えば、「You should be quiet.」（あなたは静かにしているべきだ）では、quietという状態を表す形容詞が続いています。「He should be a doctor.」（彼は医者であるはずだ）では、a doctorという名詞が、「She should be at home.」（彼女は家にいるはずだ）では、at homeという場所が続きます。このように、shouldが「する」という行為に焦点を当てるのに対し、should beは「である」「いる」という存在や状態に焦点を当てるという点が、should beとshouldの違いの核心です。
shouldが持つ意味の2つを応用！仮定法から実践まで
ここでは、基本的なshouldが持つ意味の2つを踏まえ、さらに発展的な使い方について説明していきます。shouldは義務や推量といった中心的な意味だけでなく、仮定法や提案の文、感情表現など、より複雑でニュアンス豊かな文脈でも活躍します。これらの応用的な使い方を理解することで、あなたの英語表現はさらに洗練されたものになるでしょう。特に、should意味仮定法といった少し硬い表現や、日常会話でもよく使われる過去への後悔を示す表現など、知っておくとコミュニケーションの幅が格段に広がる用法を取り上げます。順に見ていきましょう。
発展的なshouldの意味としての仮定法での用法
shouldの推量をmustやmayと比較
過去への後悔や非難を表すshouldの使い方
提案や要求のthat節で使われるshould
感情を表す形容詞とshouldの組み合わせ
【まとめ】shouldが持つ意味の2つを理解しよう
発展的なshouldの意味としての仮定法での用法
shouldの持つ多彩な顔の一つに、仮定法の中での特別な用法があります。これは「仮定法未来」とも呼ばれ、未来において「万が一～するようなことがあれば」という、実現の可能性が低い、あるいはほとんどないだろうと考えられている事柄を仮定する際に使われます。このshould意味仮定法の形は、主にif節の中で「if + 主語 + should + 動詞の原形」というパターンで現れます。例えば、「If you should have any questions, please do not hesitate to ask me.」という文は、「万が一ご質問がございましたら、どうぞご遠慮なくお尋ねください」という意味になります。これは、質問が出る可能性は低いと考えているものの、念のために丁寧な案内をしているというニュアンスを伝えます。通常の仮定法「If you have any questions…」と比べると、より丁寧で控えめな印象を与えるため、ビジネス文書やフォーマルな会話で好んで使われる傾向にあります。また、このif節の中のshouldは、話者の「そんなことは起こらないと思うけれど」という気持ちを内包している点を理解しておくと、文の深い意図まで読み取ることができるようになるでしょう。
shouldの推量をmustやmayと比較
shouldが表す推量「～のはずだ」の確信度は、他の推量を表す助動詞と比較することで、より明確に理解できます。英語の推量を表す助動詞には、確信度の高さに応じていくつかの段階があります。最も確信度が高いのが「must」で、「～に違いない」と訳されます。これは、話者が揺るぎない証拠や論理に基づいて、ほぼ100%そうであると確信している状態を示します。例えば、「The lights are on, so someone must be home.」（電気がついているから、誰かが家にいるに違いない）といった使い方です。その次に位置するのが、今回テーマの「should」です。これは「～のはずだ」と訳され、mustほどの絶対的な確信はないものの、常識的に考えたり、何らかの根拠に基づいたりして、そうなる可能性が非常に高いと判断していることを示します。そして、確信度がさらに低くなると「may」や「might」が登場します。これらは「～かもしれない」と訳され、可能性が五分五分か、それ以下であることを示唆します。このように「must > should > may/might」という確信度の序列を頭に入れておくと、文脈に応じて最適な助動詞を選択したり、相手の言葉の確信度を正確に測ったりするのに役立ちます。
過去への後悔や非難を表すshouldの使い方
shouldを使った表現の中で、特に感情的で重要なのが「should have + 過去分詞」という形です。これは、過去の出来事に対して使われ、大きく分けて二つの意味を持ちます。一つは、自分自身の過去の行動に対する「後悔」です。「（実際はしなかったけれど）～すべきだった」という意味を表します。例えば、「I should have studied harder for the exam.」と言えば、「試験のためにもっと一生懸命勉強しておくべきだった」という、勉強不足だった過去を悔やむ気持ちが表現されます。もう一つの意味は、他人の過去の行動に対する「非難」や「遺憾」です。「（実際はしなかったのに）あなたは～すべきだった」と相手を責めるニュアンスになります。例えば、「You should have told me the truth earlier.」は、「あなたはもっと早く私に真実を話すべきだった」となり、相手が事実を隠していたことへの非難が込められています。この形は、現実には起こらなかったことへの言及であるため、仮定法の一種と捉えることもできます。非常に人間味のある感情を表現できる便利な形ですが、特に非難の意味で使う場合は相手との関係性を考慮する必要があるでしょう。
提案や要求のthat節で使われるshould
少しフォーマルで書き言葉的な用法になりますが、shouldは提案・要求・命令・必要性などを表す特定の動詞や形容詞の後のthat節の中でも使われます。これは「仮定法現在」と呼ばれる文法項目の一部です。例えば、suggest（提案する）、propose（提案する）、recommend（推薦する）、insist（要求する）、demand（要求する）といった動詞の後で、「（that以下）～するように」と提案・要求する内容を示す際に「that + 主語 + should + 動詞の原形」という形が取られます。例を挙げると、「My boss insisted that I should finish the report by noon.」（私の上司は、私が正午までにそのレポートを終えるべきだと要求した）となります。この用法の特徴的な点は、that節の中のshouldが、特にアメリカ英語では省略されることが多いということです。shouldを省略すると、動詞は原形のまま残ります。そのため、「My boss insisted that I finish the report by noon.」という形も全く同じ意味で使われます。主語が三人称単数（he, sheなど）の場合でも動詞の原形が使われるため、最初は少し奇妙に感じるかもしれませんが、これも正式な文法ルールの一つとして覚えておくと、英文読解などで役立ちます。
感情を表す形容詞とshouldの組み合わせ
提案や要求の動詞だけでなく、話者の感情や判断を表す形容詞と組み合わせてshouldが使われることもあります。これは、「～するとは…だ」という、驚きや意外性、残念な気持ち、あるいは当然だという判断などを表現する用法です。「It is + 感情・判断の形容詞 + that + 主語 + should + 動詞の原形」という構文で使われるのが一般的です。例えば、「It is surprising that he should fail the exam.」という文は、「彼がその試験に落ちるとは驚きだ」という意味になります。話者は彼が合格すると思っていたため、その結果に対して意外な感情を抱いていることを示しています。他にも、natural（当然だ）、strange（奇妙だ）、a pity（残念だ）、important（重要だ）といった形容詞がこの構文でよく使われます。「It is natural that you should think so.」（あなたがそう思うのももっともだ）のように、相手の考えに同意や理解を示す際にも便利な表現です。この用法も、that節内のshouldが話者の主観的な感情や評価を色濃く反映している点が特徴と言えるでしょう。少し硬い表現に聞こえるかもしれませんが、知的な印象を与えることができます。
【まとめ】shouldが持つ意味の2つを理解しよう
今回はshouldが持つ意味の2つについてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・shouldの基本的な意味は「義務（～すべきだ）」と「推量（～のはずだ）」の2つである
・義務のshouldはmustより強制力が弱く、助言や提案のニュアンスが強い
・推量のshouldは根拠に基づく確信度の高い予測を表すが断定ではない
・shouldの義務と推量の見分け方は文脈判断が基本
・主語が「人」で動作動詞の場合は「義務」、主語が「物」で状態動詞の場合は「推量」の傾向がある
・shouldの後ろには必ず動詞の原形が来る
・should beは「～であるべきだ／～であるはずだ」という状態や存在を表す
・should beの後ろには形容詞、名詞、-ing形、過去分詞などが続く
・仮定法未来のif節で使うshouldは「万が一～ならば」という低い可能性を示す
・推量の確信度は「must（～に違いない）」>「should（～のはずだ）」>「may（～かもしれない）」の順
・「should have + 過去分詞」は過去への後悔（～すべきだった）や非難を表す
・suggestなどの提案・要求動詞の後のthat節でshouldが使われることがある（仮定法現在）
・このthat節のshouldは省略可能で、その場合も動詞は原形となる
・「It is surprising that … should …」の形で「～するとは驚きだ」という感情を表現できる
・shouldの多様な使い方をマスターすると英語表現の幅が広がる
この記事を通じて、shouldという一つの単語が持つ意味の奥深さや表現の豊かさを感じていただけたのではないでしょうか。基本となる二つの意味を軸に、様々な応用表現を少しずつ身につけていくことで、あなたの英語力はさらに確かなものになるはずです。ぜひ、今後の学習や実践の場で役立ててください。
