「寄与する」の例文は?意味や言い換えも解説!
ビジネス文書や報告書で「売上向上に寄与した」といった一文を目にする機会があります。いざ自分で使おうとすると、どんな言葉と組み合わせればよいか迷いやすい表現です。「寄与する」は、物事の発展や成果に役立つことを表す、ややかしこまった言葉です。
意味をつかまずに使うと、「貢献する」との違いが曖昧になったり、日常の小さな出来事に当てはめて大げさに響いたりします。「寄与する」は人そのものではなく、発展や成果に対して使うという基本を押さえるだけで、ぐっと自然になります。
この記事では「寄与する」の読み方と意味を整理したうえで、ビジネスメール・職務経歴書・スピーチ・敬語など、場面ごとにそのまま使える例文と、言い換え表現までまとめて紹介します。
この記事で分かることは、次のとおりです。
- 「寄与する」の読み方と基本の意味
- 「貢献する」との違いと使い分け
- 場面別にそのまま使える寄与するの例文
- 「寄与する」の言い換え・類語表現
「寄与する」の意味と正しい使い方
はじめに、言葉の成り立ちと、どんな相手や場面で使えるのかを整理します。意味を分けて理解しておくと、誤用を避けながら自然に使えるようになります。
「寄与する」の読み方と基本の意味
「寄与する」は「きよする」と読み、物事の発展や成果に役立つことを表します。まずは読み方と辞書上の意味から確認しておきましょう。
「寄与」は「寄」と「与」から成り、どちらも相手のほうへ何かを差し向けて役立てるという意味を持ちます。デジタル大辞泉では「社会や人のために役に立つこと。貢献」と説明され、「世界平和に寄与する」といった用例が挙げられています。つまり単に手伝うという以上に、全体の目的や成果に効果を及ぼす、という意味合いを含んだ言葉です。
使い方としては、「新システムの導入が業務効率化に寄与した」のように、何らかの要因が良い結果を生んだ場面で用います。主語は人だけでなく、制度や技術、取り組みなど、成果を後押しした要因を広く置ける点が特徴です。辞書の定義はコトバンクの「寄与」の項目でも確認できます。
まずは成果や発展に役立つことを、少しあらたまって言う言葉だと覚えておきましょう。この土台を押さえておくと、後の例文がそのまま使えるようになります。日常会話よりも、文章や報告の場面で力を発揮する言葉です。
もう少し具体的に見ると、「寄与」という熟語は名詞としても動詞としても使えます。名詞なら「多大な寄与」「学術的な寄与」のように、動詞なら「寄与する」「寄与している」のように活用します。どちらの形でも、全体の成果に効果を及ぼしたという中心の意味は変わりません。まずは動詞の「寄与する」を型として覚え、名詞形は文章を引き締めたいときに使い分けると、表現の幅が広がります。辞書には歴史的な文書での用例も残っており、古くから公式な場面で使われてきた、重みのある言葉だと分かります。
読み間違いにも触れておくと、「寄与」を別の読みで覚えてしまう人もいますが、正しくは「きよ」です。動詞にすると「きよする」となります。ビジネスの場で声に出して使う機会は多くないものの、朝礼のスピーチや面接で口にすることもあるため、読み方を正しく覚えておくと安心です。書くときも話すときも迷わないよう、意味と読みをセットで押さえておきましょう。
似た漢字の熟語と混同しないことも大切です。「寄与」と字面の近い「寄付」は、お金や物品を差し出す行為を指し、意味が異なります。「寄与」はあくまで成果や発展に役立つことを表すため、金銭を贈る場面では使いません。漢字が似ていても意味は別物なので、文脈に合った熟語を選ぶよう気をつけましょう。
「貢献する」との違いと使い分け
「寄与する」は成果への効果に焦点があり、「貢献する」は主体的な努力に焦点があります。意味は近いものの、響きと使いどころに違いがあります。
「寄与する」は、ある要因が結果にどれだけ効いたかという、客観的な影響度を示す傾向があります。そのため「新制度が定着率の向上に寄与した」のように、冷静に事実を述べる文脈になじみます。一方の「貢献する」は、人や組織が力を尽くしたという主体的な働きに重心があり、「彼はチームの成果に貢献した」のように熱量や努力が伝わります。
フォーマルさでも差があり、「寄与する」のほうが書き言葉寄りで、公式な報告や文書に向いています。会話では「貢献する」や「役立つ」のほうが自然に響く場面が多く、両者はweblio辞書の「寄与する」でもほぼ同義として扱われています。
迷ったときは、結果への効き目を淡々と述べるなら寄与する、人の頑張りを称えるなら貢献する、と使い分けると外しにくくなります。文章の温度に合わせて選ぶことが大切です。
語源をたどると、「寄与」はもともと物を寄せ与えること、「貢献」は貢ぎ物を差し上げることを指したとされます。そこから、寄与は成果に効果を差し向ける客観的な言い方、貢献は自分から進んで力を差し出す主体的な言い方、という色合いの違いが生まれました。現代ではほぼ同じ意味で使われますが、この成り立ちを知っておくと、どちらがその文にしっくりくるかを直感的に選べます。人の頑張りをねぎらいたい場面では貢献、施策の効果を数字で示したい場面では寄与、と対応させると迷いが減ります。
「〜に寄与する」の文型と続く言葉
「寄与する」は「〜に寄与する」の形で使い、「〜」には発展や向上など大きな目標が入ります。組み合わせる言葉を知ると、一気に使いやすくなります。
後ろに置く助詞は「に」が基本で、「地域経済の発展に寄与する」「品質の向上に寄与する」のように用います。「〜」に入るのは、発展・向上・実現・普及・解決・成長といった、抽象的で規模の大きい目標や成果です。反対に「掃除に寄与する」のような日常の小さな行為には合いません。
また「大いに寄与する」「大きく寄与する」のように程度を表す言葉を添えると、効果の大きさを自然に強調できます。過去の事実なら「寄与した」、これからのことなら「寄与する」「寄与していく」と、時制を変えて幅広く使えます。
「に」で受けて大きな目標につなぐのが基本形だと覚えておけば、文をすぐに組み立てられます。目的語を大きく取ることが、この言葉を生かすコツです。小さな事柄に無理に当てはめないよう意識しましょう。
組み合わせやすい言葉をいくつか覚えておくと便利です。発展・向上・実現・普及・推進・活性化・改善といった、規模の大きい前向きな名詞がよくなじみます。たとえば「業績の改善に寄与する」「サービスの普及に寄与する」のように使えます。反対に、感情や好みなど数えにくいものには合いにくいため、成果として測れる目標を後ろに置くことを目安にすると、自然な文になります。文の主語には、人のほか、制度・技術・取り組みといった要因も置けるので、何が効果を生んだのかを明確にして書くと伝わりやすくなります。
助詞についても補足すると、基本は「に」ですが、「発展へと寄与する」のように「へ」を使う形も見られます。ただしかたい印象が強まるため、通常のビジネス文書では「に」で受けるのが読みやすく無難です。また「寄与をする」と間に「を」を挟む言い方は不自然なので避けます。シンプルに「〜に寄与する」の形を守るだけで、破綻のない文になります。
受け身の形にも触れておくと、「〜によって発展が支えられた」のように言い換えることもできます。ただし「寄与される」という受け身は日常ではあまり使われず、能動の「寄与する」で書くほうが自然です。誰が、何に効果を及ぼしたのかをはっきりさせたいときは、能動の形を基本にすると、読み手に伝わりやすくなります。
どんな場面で使うのが自然か
「寄与する」は、報告書やビジネス文書、公式な発表など、あらたまった場面で自然に使えます。くだけた会話よりも、書き言葉でこそ映える表現です。
具体的には、業務報告で施策の効果を述べるとき、職務経歴書で実績を客観的に示すとき、スピーチで業界や地域の発展を願うときなどが代表的です。いずれも、成果や結果を落ち着いた調子で伝えたい場面という共通点があります。数字や事実とセットで使うと、説得力が高まります。
逆に、友人同士の会話や社内の軽いやり取りで「片づけに寄与した」などと言うと、大げさで芝居がかった印象になります。そうした場面では「役に立った」「助かった」といった平易な言葉のほうが自然です。相手や媒体のあらたまり具合を目安に選ぶと、過不足なく伝わります。
文章で成果を冷静に伝えたいときに選ぶ言葉だと考えておくと、使いどころを見極めやすくなります。話し言葉では一段やわらげるのが無難です。
媒体ごとに考えると使い分けがはっきりします。社外向けの提案書や報告書、プレスリリース、学術的な文章では「寄与する」がよく合います。一方、チャットや立ち話、社内の軽い連絡では「役に立った」「助かった」のほうが自然です。同じ内容でも、読み手があらたまった文章を期待している場面かどうかを考えると、大きく外すことはありません。迷ったときは、その文章を上司や取引先が読んでも違和感がないかを想像してみると、ちょうどよい言葉づかいに近づけます。
使うときに注意したい3つの点
「寄与する」を使うときは、人を直接の目的語にしない・小さな事柄に使わない・手柄を強調しすぎない、の3点に注意します。この3つで誤用の多くを防げます。
第一に、「彼に寄与する」のように人そのものを目的語にするのは不自然です。「彼の成長に寄与する」と、成果や状態を受ける形にします。第二に、前述のとおり日常の小さな行為には向きません。規模の大きい目標や成果に対して使うのが原則です。
よくある誤用
誤 私が部長に大きく寄与しました
正 私は部の売上向上に大きく寄与しました
第三に、自分の実績を述べる際、「多大に寄与しました」と強く言い切ると、自賛が過ぎる印象になります。「微力ながら寄与できたと考えております」のように、謙譲の言葉で和らげると角が立ちません。目的語は成果、自分の話は控えめに、と押さえておけば安心です。
もう一つ気をつけたいのは、へりくだる場面の「寄与できれば幸いです」と、事実を述べる「寄与しました」を混同しないことです。これから力を尽くす抱負なら前者、すでに出た成果の報告なら後者と、時制と立場で言い分けます。抱負のつもりで「寄与しました」と言い切ると押しつけがましく、報告で「寄与できれば」とぼかすと責任が曖昧になります。場面に合った形を選ぶことが、誤解を防ぐ近道です。自分の実績を語るときほど、言葉の強さを一段控えめにする意識を持つと、聞き手に受け入れられやすくなります。
「寄与する」のかたさと位置づけ
「寄与する」は書き言葉寄りのかたい表現で、公式文書や報告に適した位置づけの言葉です。言葉のかたさを知っておくと、選ぶときの迷いが減ります。
同じ「役立つ」を表す言葉でも、平易な順に「役立つ」「貢献する」「寄与する」「資する」と並びます。「寄与する」はその中でもかたい側にあり、論文ほど硬すぎず、日常会話ほど砕けていない、ビジネス文書にちょうどよい位置にあります。だからこそ報告書や職務経歴書で重宝されます。
この位置づけを意識すると、話し言葉では「役立つ」、社外向けの文書では「寄与する」、と自然に切り替えられます。メール全体がくだけた調子のときに一語だけ「寄与する」を使うと浮くため、周りの言葉の丁寧さと水準をそろえることが大切です。
ビジネス文書向けのあらたまった一語という位置づけを覚えておけば、口頭とのすみ分けができます。文章の格に合わせて選びましょう。
実務では、一つの文章の中で「寄与する」を何度も繰り返さないことも読みやすさにつながります。同じ言葉が続くと事務的で単調な印象になるため、二度目以降は「役立つ」「後押しする」などに置き換えると、文章に流れが出ます。かたい言葉は要所で一度使うと効果的で、多用すると重く感じられます。文章全体のリズムを見ながら、ここぞという箇所に置くと、言葉のかたさがちょうどよく働きます。読み手にとって難しすぎないかも意識し、平易な言葉と織り交ぜてバランスを取ると、伝わりやすい文章になります。
読み手の世代や業界によっても、ちょうどよいかたさは変わります。かたい文章に慣れた官公庁や金融の相手には「寄与する」がなじみますが、若い読者が多い媒体では、やや親しみのある「役立つ」のほうが好まれることもあります。誰が読むのかを思い浮かべて言葉を選ぶと、独りよがりにならない、伝わる文章に近づきます。
場面別「寄与する」の例文と言い換え
ここからは、ビジネスメール・職務経歴書・スピーチ・敬語など、場面ごとにそのまま使える例文を紹介します。あわせて言い換え表現も整理し、状況に応じて選べるようにします。
ビジネスメールや報告での例文
ビジネスメールや報告では、施策や取り組みが生んだ成果を「寄与する」で客観的に伝えます。最も出番の多い場面です。
基本は、何が・どんな成果に寄与したのかを、事実として淡々と述べる形です。感情を込めるより、数字や結果と結び付けると説得力が増します。件名は用件が分かるよう簡潔にし、本文で具体的に補うと読みやすくなります。
報告メールの例文
先月導入した新ツールが、問い合わせ対応時間の短縮に寄与しております。導入前と比べ、一件あたりの対応時間が約二割改善いたしました。引き続き運用を最適化し、さらなる効率化に努めてまいります。
報告書として書くときは、原因と結果を一文で結ぶと明快になります。ミスや課題を扱う報告全般の書き方は、ミスの報告書の書き方(例文付き)もあわせて参考になります。
要因と成果を事実で結ぶだけで、寄与するを使った報告としてまとまります。誇張せず、数字を添えて伝えることを心がけましょう。
複数の要因が重なって成果が出た場合は、「複数の施策が売上回復に寄与した」とまとめてから、内訳を続けると整理された報告になります。一つの要因を強調したいときは、「とりわけ〜が寄与した」と、程度を表す言葉で焦点を絞ると効果的です。受け手が結果と原因の関係をすぐつかめるよう、寄与した対象と度合いをセットで示すことを意識すると、伝わりやすい報告になります。数字を添えるときは、前年比や導入前後の比較にすると、効果の大きさが具体的に伝わります。
社内向けと社外向けでも、少し調子を変えると印象が良くなります。社内の報告では「効率化に寄与しました」と端的に、社外への報告では「貴社の業務改善に寄与できたものと存じます」と丁寧に添えると、相手に合わせた温度になります。同じ事実でも、読み手との関係に合わせて語尾や敬語の重さを調整すると、そっけなさや過剰さを避けられます。
職務経歴書や自己PRでの例文
職務経歴書や自己PRでは、自分の働きが成果にどう効いたかを「寄与する」で客観的に示します。実績を冷静に伝えたい場面に向いています。
採用担当者は、成果と再現性を見ています。「頑張りました」ではなく、「何に・どのくらい寄与したか」を数字とともに書くと、実力が伝わります。自賛が過ぎないよう、事実ベースで淡々とまとめるのがポイントです。
職務経歴書の例文
営業支援ツールの導入を主導し、部門全体の受注率向上に寄与しました。導入初年度に受注率が前年比一割五分改善し、後進の育成にも取り組みました。
面接で口頭で述べる際は、「寄与しました」を「役立ちました」に置き換えると、話し言葉としても自然になじみます。文書ではかたく、口頭ではやわらかく、と調整すると印象が良くなります。
実績を数字とともに客観的に書くことで、寄与するを使った自己PRとして説得力が出ます。盛りすぎず、事実で語る姿勢が信頼につながります。
書き出しに悩むときは、担当した役割・取った行動・生まれた成果の順に並べると、寄与の内容が自然に伝わります。「〜を担当し、〜に取り組んだ結果、〜の向上に寄与した」という流れです。数字が出せる実績は必ず添え、出せない場合も「定着率の改善に寄与した」のように、何がどう良くなったかを具体的に書きます。抽象的な表現だけで終わらせないことが、評価される自己PRの分かれ目になります。読み手は短時間で多くの書類に目を通すため、一文で成果が伝わる簡潔さも意識すると効果的です。
スピーチや挨拶で使う例文
スピーチや挨拶では、業界や地域の発展を願う場面で「寄与する」が格調高く映えます。あらたまった席にふさわしい言葉です。
就任の挨拶や式典のスピーチでは、これからの抱負として「〜の発展に寄与してまいります」と述べると、決意が丁寧に伝わります。過度に自分を大きく見せず、全体への貢献を誓う姿勢を示すと、聞き手に好印象を残せます。
就任挨拶の例文
このたび新たな役割を拝命いたしました。微力ではございますが、地域社会の発展に寄与できるよう、社員一同で力を尽くしてまいります。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
挨拶では、聞き手にとって耳なじみのよい速さで、はっきりと述べることが大切です。「寄与してまいります」と未来へ向けて結ぶと、前向きな締めくくりになります。長く話しすぎず、要点を丁寧に伝えましょう。
発展を願う抱負として結ぶと、スピーチの中で寄与するが自然に生きます。改まった席でこそ、この言葉のかたさが持ち味になります。
結びの一文として使うほかに、話の中盤で過去の実績に触れる形でも活用できます。「これまで多くの先輩方が地域の発展に寄与してこられました」と述べれば、歴史や積み重ねへの敬意を示せます。自分一人の手柄としてではなく、周囲や先人の働きを立てる文脈で使うと、聞き手に謙虚で誠実な印象を与えられます。挨拶では、自賛よりも全体への感謝と願いに軸足を置くと、言葉が引き立ちます。原稿を用意する際は、寄与という言葉を一度だけ効果的に置くと、締まりのあるスピーチになります。
聞き手の顔ぶれによっても言葉の重さを変えると効果的です。式典など格式の高い場では「寄与してまいる所存です」と改まった言い方が映え、社内の懇親会のようにくだけた場では「みなさんの力になれるよう頑張ります」と平易に述べたほうが場になじみます。場の空気を読んで言葉のかたさを選ぶことが、心に届く挨拶の条件になります。
敬語で丁寧に使う謙譲の例文
目上の相手には、「寄与できれば幸いです」のように謙譲の言葉と組み合わせると丁寧に伝わります。自分の貢献を控えめに述べる形が基本です。
申し出や抱負を述べるときは、「微力ながら、貴社の発展に寄与したいと存じます」といった言い方が使えます。「〜と存じます」「〜できれば幸いです」を添えると、へりくだった丁寧な印象になります。断定を避け、相手を立てる姿勢を保つのがコツです。
反対に、相手の行為を敬って「ご寄与くださる」と言うことはあまりなく、「寄与する」は自分側の働きに使うのが自然です。相手の力添えに触れたいときは、「お力添えをいただき」といった別の敬語に置き換えると収まりがよくなります。敬語と丁寧語の切り分けに迷うときは、敬語と丁寧語の違いも確認しておくと安心です。
自分の貢献を控えめに述べるのが基本だと押さえておけば、敬語の場面でも迷いません。相手を立てる言葉を添えて、やわらかく伝えましょう。
就職や転職の面接、取引先への申し出など、これから関係を築く相手には、断定を避けた言い方が安心です。「お役に立てるよう、微力ながら寄与してまいりたいと考えております」のように、意欲を示しつつ控えめにまとめると、意欲過剰にも消極的にも見えません。強く言い切るより、相手に判断の余地を残す言い回しのほうが、丁寧で信頼される印象につながります。謙譲の言葉はへりくだりすぎても不自然になるため、前向きさと控えめさのつり合いを意識すると、ちょうどよく収まります。
「寄与する」の言い換えと類語
「寄与する」は、相手や文章のかたさに応じて複数の言い換えに置き換えられます。同じ言葉の繰り返しを避けたいときにも役立ちます。
代表的な言い換えを、かたさの目安と使う場面とともに整理します。かたい順に、資する・寄与する・貢献する・役立つ・力になる、と並べて考えると選びやすくなります。
| 言い換え表現 | かたさとニュアンス | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 資する | 最もかたい文語調 | 論文・公式文書 |
| 貢献する | 主体的な努力を示す | 会話・文書の両方 |
| 役立つ | 平易で分かりやすい | 社内・メール全般 |
| 一役買う | やや口語的で軽い | くだけた会話 |
| 力になる | 親しみやすく温かい | 口頭・親しい相手 |
より詳しい類語はweblio類語辞典の「寄与」で確認できます。前向きな成果を表す言い換えは、「いい報告」の言い換え表現もあわせて役立ちます。
文書ほどかたく、口頭ほどやわらかくを目安に選ぶと迷いません。言い換えを一つ持っておくと、表現に幅が出ます。
言い換えを選ぶときは、置き換えても文の意味が崩れないかを確かめると失敗しません。たとえば「発展に寄与する」を「発展に資する」に変えても意味は通りますが、「発展に力になる」とすると少しくだけて聞こえます。相手や媒体のあらたまり具合に合わせ、かたさの近い語を選ぶのがコツです。同じ報告でも、言葉を一段やわらげたりかためたりするだけで、読み手の受ける印象は大きく変わります。辞書の類語欄を眺めて、複数の候補から場面に合うものを選ぶ習慣をつけると、語彙が着実に広がります。
反対の意味の言葉もあわせて知っておくと、表現の輪郭がはっきりします。役立つの反対は「妨げる」「支障をきたす」などで、良い方向への効果を表す寄与とは逆の意味になります。文章では、寄与すると妨げるを対比させて「〜が発展に寄与する一方、〜は成長を妨げる」と書くと、論点が明確になります。似た言葉だけでなく逆の言葉も一緒に覚えると、使い分けの精度が上がります。
まとめ|寄与するの例文を場面で使い分ける
「寄与する」は成果や発展に役立つことを表す言葉で、場面に応じた例文の使い分けが大切です。最後に要点を振り返ります。
基本の意味は、物事の発展や成果に役立つことを、少しあらたまって述べる言い方です。「貢献する」より書き言葉寄りで、報告や職務経歴書、スピーチで力を発揮します。使うときは、人ではなく成果を目的語にする、小さな事柄には使わない、自分の実績は謙譲で和らげる、の3点を守ることが欠かせません。
ビジネスメールでは要因と成果を事実で結び、自己PRでは数字とともに客観的に、スピーチでは発展を願う抱負として、敬語では控えめに、と場面ごとに形を変えると自然に伝わります。言い換えを一つ持っておけば、表現の重複も避けられます。
この記事の例文を土台に、相手と場面に合わせて言葉を選べば、寄与するの例文を誇張なく、説得力のある形で使いこなせます。
言葉選びに迷ったときは、この記事の意味の説明と場面別の例文に立ち返れば、その都度ふさわしい表現を選び直せます。「寄与する」を自在に使えるようになると、成果や実績を伝える場面全体で、言葉の引き出しがぐっと広がります。まずは一つの例文をそのまま使ってみて、慣れてきたら自分の状況に合わせて言葉を差し替えていくと、無理なく身につきます。日々の報告やメールで少しずつ試すうちに、かたい表現も自然に扱えるようになります。
「寄与する」に関するよくある質問
ここでは、「寄与する」を使うときに迷いやすい疑問をまとめて解消します。細かな使い分けの判断材料として役立ててください。
寄与するは目上の人に使えるか
使えます。ただし自分の働きを述べるときは、謙譲の言葉と組み合わせるのが自然です。「微力ながら、貴社の発展に寄与したいと存じます」「お役に立てるよう寄与できれば幸いです」といった形なら、へりくだった丁寧な印象になります。反対に、相手の行為を「ご寄与くださる」と敬語にする言い方はあまり使われません。相手の力添えに触れたいときは、「お力添えをいただき」と別の表現に置き換えると収まりがよくなります。
目上に対しては、成果を誇るより、これから役立ちたいという姿勢を前に出すと好印象です。すでに出した実績を述べる場合も、「微力ながら寄与できたと考えております」と控えめにまとめると、丁寧さを保てます。
寄与すると資するの違いは何か
意味はどちらも「役立つ」で近いものの、かたさが違います。「資する」は「しする」と読み、文語調でより硬い響きがあります。論文や公式文書、格式の高い挨拶などで「発展に資する」といった形で用いられます。一方の「寄与する」は、資するよりは日常的で、ビジネス文書や報告に幅広く使えます。どちらを選ぶか迷ったときは、最もかたい場面では資する、一般的なビジネス文書では寄与する、と考えると選びやすくなります。
迷ったら、声に出して読んでみるのも一つの方法です。硬く重い響きが場にふさわしければ資する、落ち着いて事実を伝えたいなら寄与する、と自然に選べます。読み手の顔ぶれを思い浮かべて決めると失敗しません。
ネガティブな内容にも寄与するを使えるか
文法上は使えますが、ビジネスでは避けたほうが無難です。「寄与する」は本来、良い結果への効果を表すことが多く、「事態の悪化に寄与した」のように悪い結果にも中立的に使えます。ただし報告書などで悪い方向に用いると、皮肉や責任追及のように受け取られることがあります。良くない結果を述べたいときは、「一因となった」「悪化を招いた」といった表現に置き換えると、誤解を避けられます。前向きな成果に使うのが基本と覚えておきましょう。
どうしても悪い結果に触れる必要があるときは、原因を淡々と示す言葉を選ぶほうが、読み手に冷静に受け止めてもらえます。感情のこもった響きの語を避けることが、報告の信頼性を保つうえで役立ちます。
寄与するを英語で言うと何か
代表的な訳は contribute to です。「新技術が生産性の向上に寄与した」であれば、The new technology contributed to improved productivity のように表せます。より硬い言い方では be conducive to も使われ、成果を後押しするという意味を丁寧に伝えられます。日本語の「寄与する」と同じく、後ろには発展や向上など大きな目標を置くと自然です。ビジネスメールの英語表現としても、contribute to は幅広い場面で使える便利な言い回しです。
なお、名詞の「寄与」を英語にする場合は contribution が対応します。「大きな寄与」であれば a significant contribution のように表せます。動詞と名詞で使い分けると、英文でも自然に伝わります。