「大変」という言葉は、日常会話でもビジネスメールでも気軽に使える便利な表現です。ただし、目上の相手や取引先へのメールでは、カジュアルに響きすぎてしまうことがあります。「誠に」「甚だ」「非常に」といった言葉に置き換えるだけで、文章全体の印象が引き締まります。

この記事では、「大変」をビジネスシーンで言い換える基本の表現から、「大変でしたね」「大変助かりました」「大変申し訳ございません」といった場面別の使い方まで、例文を交えて解説します。目上の人や取引先に使っても失礼にならないかどうかも合わせて確認していきます。

普段何気なく使っている「大変」も、相手や場面を意識するだけで、文章全体の印象が大きく変わります。メールを書くたびに言葉選びで迷わないよう、代表的なパターンをこの記事で一通り押さえておきましょう。

この記事で分かることは、次のとおりです。

  • 「大変」をビジネスで言い換えるフォーマルな表現一覧
  • 「大変」と「非常に」「とても」の使い分け
  • 「大変でしたね」「大変助かりました」など場面別の言い換え例文
  • 目上の人や取引先に「大変」を使う際の注意点

「大変」をビジネスで言い換える基本表現

ここでは、「大変」という言葉が持つ本来の意味と、ビジネス文書で言い換えが必要になる理由を確認したうえで、フォーマルな場面で使える言い換え表現を整理します。似た意味の「非常に」「とても」との違いも押さえておくと、相手や場面に応じて自然に選べるようになります。

大変の言い換え場面別分類マップ

先に、代表的な言い換えをフォーマル度とあわせて一覧にしました。迷ったときの選び方の目安にしてください。

言い換え フォーマル度 向く場面
非常に やや高い 報告書・社外メール全般
誠に 高い 感謝・お詫びの冒頭
甚だ 高い・硬め 改まった書き言葉
多大なる 高い 協力や支援への謝辞
格別に 高い 特別な配慮への感謝
心より 高い 感謝や祝意を伝える文
ひとかたならず 最も高い 特別な感謝・儀礼的な文書

表からも分かるとおり、フォーマル度が高い言葉ほど、儀礼的で改まった場面に向いています。すべてを最上級の言葉に統一する必要はなく、文章全体のバランスを見ながら選ぶのがコツです。

「大変」の意味とビジネスで言い換えが必要な理由

「大変」は、もともと「世の中の大きな変事」を指す言葉として使われていました。現在では意味が広がり、「非常に」「とても」に近いニュアンスで、物事の程度が甚だしいことを表す形容動詞・副詞として使われています。「大変おもしろい」「大変失礼しました」のように、良い意味にも悪い意味にも使える汎用性の高さが特徴です。

この汎用性の高さが、ビジネス文書ではかえって弱点になることがあります。日常会話ではちょうどよい丁寧さでも、あらたまったメールや取引先への文書では、やや軽い印象を与えてしまう場合があるためです。とくに感謝やお詫びを伝える場面では、言葉の重みが足りず、誠意が伝わりにくくなることもあります。

もちろん、社内の気心の知れた相手とのやり取りで「大変」を使うこと自体は問題ではありません。フォーマル度を上げたい場面に限って、言い換えを検討すれば十分です。次の項目から、具体的にどのような言葉に置き換えられるのかを見ていきます。

言い換えを覚えておくと、同じ内容の文章でも相手への配慮が伝わりやすくなります。まずは代表的な言い換えの候補を押さえておきましょう。

ちなみに「大変」という言葉が使われ始めたのは古く、もとは「一大事」や「重大な出来事」を意味する言葉として使われていました。そこから時代を経て、驚きや程度の大きさを表す言葉へと意味が広がり、現在の使い方に近づいてきたとされています。言葉の成り立ちを知っておくと、なぜビジネスの場で軽く聞こえることがあるのか、感覚的に理解しやすくなります。

名詞としての「大変」も、今でも「国家の大変」のように、重大な事態を指す言葉として辞書に残っています。形容動詞・副詞としての使い方が広まった今も、この本来の重さがどこかに残っているからこそ、あらたまった場面では慎重に選びたい言葉だといえます。

フォーマルな言い換え一覧(誠に・甚だ・非常に等)

ビジネスの場でフォーマルに使える「大変」の言い換えには、誠に・甚だ・非常に・多大なる・格別に・心より・ひとかたならずなどがあります。これらはいずれも、改まった挨拶状や取引先へのメールで古くから使われてきた表現です。

「誠に」は感謝やお詫びの冒頭で使われることが多く、「誠にありがとうございます」「誠に申し訳ございません」のように、気持ちの強さを添える働きをします。「甚だ」はやや硬めの書き言葉で、「甚だ恐縮ではございますが」のように、恐縮の意を強めたいときに向いています。

例文「多大なるご協力を賜り、心より御礼申し上げます。」
例文「ひとかたならぬお力添えをいただき、誠にありがとうございます。」
例文「甚だ僭越ではございますが、一言ご挨拶申し上げます。」

格別な配慮を受けたときは「格別のご高配を賜り」のように使うと、相手の心遣いに対する敬意が伝わります。文書の冒頭や結びの一文に添えることの多い表現です。

「格別のご高配を賜り」のように、複数の言い換えを組み合わせて使うこともできます。ただし、一文の中に硬い言葉を詰め込みすぎると不自然になるため、基本は一つの言い換えに絞り、前後の文で丁寧さを調整するとバランスが取りやすくなります。表の言葉をそのまま覚えるのではなく、場面ごとに一つずつ試していくと、無理なく使いこなせるようになります。

これらの言い換えは、いずれも単独で使うだけでなく、感謝やお詫びの一文とセットで使われることが多い表現です。「誠に」「甚だ」を文の主役にするのではなく、伝えたい気持ちを引き立てる添え物として使う意識を持つと、より自然な文章になります。まずは自分がよく使う言葉を一つか二つ選び、実際のメールで試してみるとよいでしょう。

「大変」と「非常に」「とても」の違いと使い分け

「とても」は口語的、「非常に」はフォーマル、「大変」はその中間に位置する表現です。三つとも程度の甚だしさを表す点は共通していますが、使われる場面の硬さに差があります。

とても大変非常にの違い比較図

「とても」は友人同士の会話や社内のチャットで自然に使える、もっとも柔らかい表現です。「非常に」は報告書や社外向けの文書で好んで使われる、硬めの表現です。「大変」はちょうどその中間にあり、会話でもメールでも違和感なく使えるぶん、フォーマル度を強く出したい場面ではやや物足りなく感じられることもあります。

実際の使い分けとしては、社内チャットでは「とても」、上司への軽い報告では「大変」、社外への正式なメールでは「非常に」を選ぶイメージが近いでしょう。相手との距離が遠くなるほど、フォーマル度の高い言葉を選ぶと覚えておくと迷いません。

文章の中で三つの言葉が混在すると、統一感がなくなってしまいます。一つの文書の中では、基本的にどれか一つのトーンで揃えておくと、読み手にとって読みやすい文章になります。

たとえば取引先への案内メールで「とても助かります」と書くと、少しくだけた印象になります。「非常に助かります」に置き換えるだけで、同じ内容でも文書としての体裁が整います。逆に、社内の雑談チャットで「非常に」を多用すると、堅苦しく距離を感じさせてしまうこともあるため、場の空気に合わせる意識も大切です。

感謝を伝えるときの言い換え(大変助かりました 等)

感謝を伝える場面での「大変」は、「非常に」「誠に」「多大なる」などに置き換えると、フォーマルな印象になります。よく使われる「大変助かりました」は便利な表現ですが、相手や状況によってはややカジュアルに響くこともあります。

目上の人や取引先への感謝を伝えるときは、「非常に助かりました」「誠に助かりました」とするだけで、丁寧さが一段上がります。さらに改まった場面では、「多大なるご協力を賜り、心より御礼申し上げます」「ひとかたならぬご支援をいただき、誠にありがとうございます」といった表現も使えます。

社内の同僚や後輩への感謝であれば、「大変助かりました」のままでも自然です。無理にすべてを硬い言葉に置き換える必要はなく、相手との関係性に応じて言葉の強さを調整するのがポイントです。

チームで大きな成果が出たときは、「皆さまのご協力に、心より御礼申し上げます」のように、個人ではなくチーム全体への感謝として伝える形も効果的です。誰か一人だけを立てるのではなく、関わった全員への配慮を示すことで、より丁寧な印象を残せます。

感謝を伝える一文は、文章全体の印象を左右します。言葉を少し変えるだけで、相手に伝わる誠意の大きさも変わってきます。

上司から仕事を手伝ってもらった場面では、「お忙しい中、大変助かりました」よりも、「お忙しい中、ご対応いただき誠にありがとうございました」とするほうが、感謝の重みが伝わりやすくなります。感謝を伝える一文は簡潔にまとめつつ、相手の行動に触れると、より具体的な感謝として受け取ってもらえます。

取引先から資料を早めに送ってもらった場合は、「ご迅速なご対応、誠にありがとうございます」のように、相手の行動を具体的に言葉にすると、感謝の気持ちがより明確に伝わります。「大変助かりました」だけで終わらせず、何に対して感謝しているのかを添えると、丁寧さと具体性の両方を満たせます。

お詫びを伝えるときの言い換え(大変申し訳ございません 等)

お詫びの場面で使われる「大変申し訳ございません」は、ビジネスシーンで広く使われる定番の表現です。重大なミスやトラブルの際に使うことで、誠意を伝えやすくなります。

例文「誠に申し訳ございません。今後このようなことがないよう注意いたします。」
例文「甚だ遺憾に存じますが、対応が遅れましたことをお詫び申し上げます。」

さらに丁寧さを求める場合は、「誠に申し訳ございません」「甚だ遺憾に存じます」といった言い換えが使えます。「誠に」は謝罪の気持ちを強調したいときに、「甚だ」はやや硬めの書き言葉として、正式な文書やお詫び状に向いています。

一方で、軽微なミスに対して「大変申し訳ございません」を多用すると、かえって大げさな印象を与えてしまうことがあります。謝罪の重さと言葉の強さを釣り合わせることが、信頼を損なわないコツです。

取引先とのやり取りで納期の遅れなど影響が大きいトラブルが起きた場合は、お詫びの言葉に加えて、原因と今後の見通しを添えると、より誠実な印象になります。「大変申し訳ございません。原因を確認のうえ、明日中に改めてご連絡いたします」のように、次のアクションまで示すと相手も安心できます。

ちょっとした確認の遅れやささいな行き違いであれば、「失礼いたしました」「申し訳ございません」程度でも十分に気持ちは伝わります。場面に応じて言葉の強さを選ぶ姿勢が、誠実な印象につながります。

謝罪の文章では、お詫びの言葉に続けて再発防止や今後の対応を一言添えると、誠意がより伝わりやすくなります。「大変申し訳ございません。今後はこのようなことがないよう、確認を徹底いたします」のように、謝罪と改善の意思をセットで伝えるのが基本の型です。

メール・文書で使う言い換えの選び方

言い換えを選ぶときの基準は、相手との関係性と文書のフォーマル度の二つです。目上の人や社外、初めてやり取りする相手には、フォーマル度の高い言葉を選ぶと安心です。

社内の気心の知れた相手であれば、やや柔らかい表現でも失礼にはあたりません。むしろ硬すぎる言葉を多用すると、よそよそしい印象を与えることもあります。相手との距離感を思い浮かべながら選ぶとよいでしょう。

初めてメールを送る相手や、面識の薄い取引先には、あえてフォーマル度の高い言葉を選んでおくと安心です。関係が深まってから少しずつ言葉を和らげていくほうが、最初から砕けすぎて印象を損ねるより、失敗が少ない進め方だといえます。

文書の種類によっても選び方は変わります。社外向けの正式な文書や取引先へのメールでは「非常に」「誠に」を、社内チャットや口頭に近いやり取りでは「とても」「大変」を選ぶと、自然な文章になります。

迷ったときは、文章全体を読み返して硬さがそろっているかを確認する習慣をつけると、言い換えの選択にも自信が持てるようになります。

選び方に迷ったときは、まず相手の立場を思い浮かべ、次に伝える内容の重さを考えるという順番で判断すると、大きく外すことはありません。この二段階の確認を習慣にしておくと、とっさのメールでも自然に適切な言葉を選べるようになります。

場面別「大変」の言い換えと使い方の注意点

ここからは、「大変でしたね」「大変恐縮ですが」「大変失礼いたしました」など、具体的な場面ごとの言い換えと、目上の人に使う際の注意点を見ていきます。言い換えを多用しすぎたときに起こりやすい違和感にも触れながら、実践的な使い分けを整理します。

場面別の大変言い換えフローチャート

先に、代表的な場面と言い換え例の対応を表にまとめました。実際の文章に当てはめながら確認してください。

場面 「大変」を使った表現 フォーマルな言い換え
感謝 大変助かりました 非常に助かりました/誠にありがとうございます
お詫び 大変申し訳ございません 誠に申し訳ございません/甚だ遺憾に存じます
労い 大変でしたね ご苦労をおかけいたしました
依頼 大変恐縮ですが 甚だ恐縮ではございますが
軽いお詫び 大変失礼いたしました そのまま使用可(目上にも可)

表を踏まえたうえで、それぞれの場面をくわしく見ていきましょう。

「大変でしたね」を目上に使う際の注意点

「大変でしたね」は一見丁寧に聞こえる言葉ですが、目上の人に使う際は注意が必要です。文法的に誤りではないものの、立場や場面によっては、相手の状況を評価しているような、上から目線の響きに受け取られることがあります。

これは、「大変でしたね」という言い方が、相手の苦労を客観的に判断して労うニュアンスを含むためです。目下から目上への言葉としては、やや踏み込みすぎた印象を与えてしまう場合があります。

目上の人に使うのであれば、「ご苦労をおかけいたしました」「お疲れさまでございました」といった、相手を立てる言い方に置き換えるほうが無難です。労いの気持ちを伝えたいときほど、言葉選びに気を配りたい場面です。

取引先に対しても同様で、「ご対応、大変でしたね」よりも「ご対応いただき、誠にありがとうございました」のように、労いではなく感謝の形で伝えるほうが、ビジネスメールとして自然に受け取ってもらえます。相手の立場に立って言葉を選ぶ意識が、丁寧な文章づくりの土台になります。

同僚や後輩に対してであれば、「大変でしたね」をそのまま使っても違和感はありません。相手との上下関係を意識して、表現を選び分けるとよいでしょう。

「大変でしたね」が上から目線に響きやすいのは、相手の状況を評価する側に自分を置いてしまう言い方だからです。同じ労いでも、「お力添えいただき、ありがとうございました」のように感謝の形にすると、上下関係を気にせず自然に伝えられます。

プロジェクトが一段落したタイミングで上司に声をかけるなら、「大変でしたね」ではなく「ここまで導いていただき、ありがとうございました」のように、相手の働きかけへの感謝として伝えると、労いのつもりが失礼に受け取られる心配がなくなります。

「大変恐縮ですが」の使い方と類似表現

「大変恐縮ですが」は、相手に何かを依頼したり、都合をお願いしたりするときによく使われる表現です。クッション言葉として文頭に置くことで、依頼のきつさをやわらげる効果があります。

例文「大変恐縮ですが、資料のご確認をお願いいたします。」
例文「甚だ恐縮ではございますが、日程の変更をお願いできますでしょうか。」

より丁寧さを求める場面では、「甚だ恐縮ではございますが」「誠に恐れ入りますが」といった言い換えが使えます。いずれも依頼や質問の前に置くことで、相手への配慮を示す働きをします。

似た表現に「お手数をおかけしますが」「ご面倒をおかけしますが」があります。こちらは相手の手間に焦点を当てた言い方で、「恐縮ですが」は自分の申し訳なさに焦点を当てた言い方という違いがあります。依頼の内容によって、どちらの視点の言葉を選ぶかを考えると、より自然な文章になります。

依頼の内容が大きいほど、クッション言葉の丁寧さも合わせて上げると、文章全体のバランスが取れます。ちょっとした確認のお願いには「恐縮ですが」、日程変更など相手の負担が大きい依頼には「甚だ恐縮ではございますが」と、内容の重さに応じて選ぶとよいでしょう。

「大変失礼いたしました」は目上に使えるか

「大変失礼いたしました」は謙譲語を含む丁寧な表現で、目上の人に対しても問題なく使えます。ちょっとした言い間違いや確認漏れなど、軽度のミスをお詫びする場面でよく使われます。

大変でしたねの目上への使用可否図

「失礼いたしました」自体がすでに丁寧な言い方であり、「大変」を添えることで、恐縮の度合いを強めています。目上の人や取引先に対して使っても、失礼にあたることはありません。

ただし、重大なミスやトラブルに対して「大変失礼いたしました」だけで済ませてしまうと、謝罪として軽く受け取られることもあります。ミスの重さに応じて「申し訳ございません」と使い分けると、より誠実な印象になります。

日常のちょっとした行き違いには「大変失礼いたしました」、重大な問題には「誠に申し訳ございません」というように、言葉の強さを段階的に使い分けると安心です。

「大変失礼いたしました」を使う際は、そのあとに具体的な対応や訂正の内容を添えると、より丁寧な印象になります。「大変失礼いたしました。資料を差し替えてお送りいたします」のように、一言で終わらせず次の行動を示すことがポイントです。

メールの誤字や添付漏れなど、すぐに訂正できる軽いミスであれば、「大変失礼いたしました」と一言添えるだけで十分に丁寧です。過剰に謝罪の言葉を重ねると、かえって読み手を不安にさせてしまうこともあるため、ミスの大きさに見合った長さで伝えることも意識しておきましょう。

社内チャットとメールでの言い換えの温度差

社内チャットとメールでは、求められるフォーマル度に差があります。チャットは会話に近いやり取りのため、「大変」をそのまま使っても違和感はありません。

一方でメール、とくに社外や上司への正式なメールでは、「非常に」「誠に」といった、やや硬めの言葉が好まれる傾向があります。同じ内容を伝える場合でも、媒体によって求められる丁寧さが変わることを意識しておくとよいでしょう。

たとえば、社内チャットで「大変助かりました」と送るのは自然ですが、社外へのお礼メールでは「非常に助かりました」「誠にありがとうございます」とするほうが、文書としてのバランスが取れます。

媒体ごとの温度差を意識しておくと、同じ内容でも相手にふさわしい丁寧さで伝えられるようになります。日頃からチャットとメールで言葉を使い分ける習慣をつけておくと安心です。

この温度差を意識せずにいると、社外向けのメールでもチャットのような軽い言葉づかいになってしまい、思わぬ誤解を招くこともあります。送信前に「この文章は誰が読むか」を一度確認する習慣をつけておくと、媒体による言葉づかいの差を防ぎやすくなります。

言い換えを多用しすぎないための注意点

フォーマルな言い換えは便利ですが、使いすぎるとかえって不自然な文章になります。「誠に」「甚だ」「非常に」を一文の中に何度も詰め込むと、回りくどく、読みにくい印象を与えてしまいます。

とくに「大変申し訳ございません」を頻繁に使うと、謝罪の言葉としての重みが薄れてしまいます。ここぞという場面に絞って使うことで、言葉の説得力を保てます。

一つの文書の中で同じ言い換えを何度も繰り返すのも避けたいところです。感謝の場面では「非常に」、お詫びの場面では「誠に」というように、文脈ごとに言葉を変えると、文章全体にリズムが生まれます。

言い換えはあくまで文章の印象を整えるための手段です。伝えたい内容そのものが明確であることが、丁寧な言葉づかい以上に大切だと意識しておきましょう。

言い換え表現を使う目的は、あくまで相手への配慮を伝えることです。硬い言葉を並べること自体が目的になってしまうと、かえって文章が読みにくくなります。伝えたい気持ちに見合った強さの言葉を、必要な分だけ選ぶという意識を持っておくとよいでしょう。

目安として、一通のメールの中で「誠に」「甚だ」のような強い言い換えは一つか二つにとどめると、読みやすさと丁寧さのバランスが取れます。書き終えたあとに声に出して読んでみると、言葉が詰め込みすぎになっていないか確認しやすくなります。

「大変」を使ってよい場面・避けたい場面の見分け方

「大変」を使ってよいかどうかは、相手との関係性と文書の目的で見分けられます。社内の気心の知れた相手や、日常的なやり取りであれば、そのまま使って問題ありません。

一方で、初めてやり取りする相手、目上の人、社外の取引先へのフォーマルな文書では、言い換えを検討したい場面です。とくに感謝やお詫びを伝える一文は、相手の印象に残りやすいため、言葉選びに気を配る価値があります。

迷ったときの目安として、「この文章は誰が読むか」「どのくらい改まった場面か」の二点を確認する習慣をつけると、言い換えの判断がしやすくなります。

社外向けの資料や式辞など、多くの人の目に触れる文書では、フォーマル度の高い言葉を選んでおくほうが無難です。一方、個人あてのちょっとしたお礼メールでは、硬すぎる言葉がかえって距離を感じさせることもあるため、読み手の顔を思い浮かべながら選ぶ姿勢を大切にしてください。

次の見出しからは、ここまでの内容を踏まえたよくある質問をまとめました。あわせて確認しておくと、実際の場面でも迷わず使えるようになります。

この見分け方は、「大変」に限らず他の言い換え表現を選ぶときにも応用できます。相手との関係性と文書の目的という二つの軸を意識しておくと、日々のメールや文書作成のスピードも上がっていきます。

ほかの言葉のビジネス言い換えが気になる方は、「間に合わない」の言い換えは?ビジネスで使える丁寧な表現を調査!「褒められる」の言い換えは?ビジネスで使える丁寧な表現を調査!も参考になります。返信メールでの丁寧さが気になる方は、返信ありがとうございますはビジネスで失礼?解説!もあわせてご覧ください。

「大変」の言い換えに関するよくある質問(FAQ)

Q. 「大変」はビジネスメールで使ってはいけませんか?

A. 「大変」自体が誤りというわけではありません。社内の気心の知れた相手であれば問題なく使えます。目上の人や社外への正式なメールでは、「非常に」「誠に」といった言い換えを選ぶと、より丁寧な印象になります。使う相手と場面を意識するだけで、無理に言葉を覚え直す必要はありません。

Q. 「大変恐縮です」と「大変申し訳ございません」はどう違いますか?

A. 「恐縮です」は依頼や好意に対する恐れ多さを表し、「申し訳ございません」は謝罪の気持ちを表します。何かをお願いするときは「恐縮です」、ミスやトラブルをお詫びするときは「申し訳ございません」と使い分けると自然です。目的が依頼なのかお詫びなのかを先に確認すると迷いません。

Q. 「大変でしたね」は上司に使うと失礼になりますか?

A. 文法的な誤りではありませんが、上から目線に受け取られることがあります。上司や目上の人には、「ご苦労をおかけいたしました」「お疲れさまでございました」といった言い方のほうが無難です。同僚や後輩に対してであれば、そのまま使っても問題ありません。

Q. 社内チャットでも言い換えたほうがよいですか?

A. 社内チャットは会話に近いやり取りのため、「大変」をそのまま使っても違和感はありません。フォーマル度を意識したい場面は、社外や上司への正式なメールに絞って問題ありません。媒体ごとに求められる丁寧さが違うことを覚えておくと安心です。

Q. 言い換え表現を使いすぎるとどうなりますか?

A. 「誠に」「甚だ」を多用すると、回りくどく大げさな印象を与えてしまいます。感謝やお詫びなど、伝えたい気持ちが強い場面に絞って使うと、言葉の重みを保てます。一つの文書で同じ言い換えを繰り返さないことも意識してみてください。

まとめ─「大変」の言い換えをビジネスで使いこなすなら

ここまで、「大変」のビジネスでの言い換えを、フォーマルな表現一覧と場面別の使い方の両面から見てきました。「誠に」「甚だ」「非常に」といった言い換えは、感謝やお詫びの気持ちをより丁寧に伝えるための選択肢です。

目上の人や社外の相手には言い換えを、社内の気心の知れた相手には「大変」のままでも十分という使い分けが基本でした。「大変でしたね」のように、目上への使用に注意が必要な表現もあるため、相手との関係性を意識しておくと安心です。

言い換えは、あくまで相手への配慮を伝えるための手段です。使いすぎず、ここぞという場面に絞って選ぶことで、丁寧さと自然さの両方を保てます。

迷ったときに立ち返る基準は、相手が誰で、どのくらい改まった場面かという二点でした。この二つさえ押さえておけば、初めて出会う言い換え表現にも、落ち着いて対応できるようになります。日々のメールの中で少しずつ試しながら、自分にとって使いやすい言い換えを見つけていってください。

相手との距離と文書のフォーマル度、この二つを軸に言葉を選べば、「大変」の言い換えに迷うことは少なくなります。まずは今日のメールから、いつもの「大変」を場面に合った一語に置き換えてみてください。

言い換えや類語をさらに詳しく確認したいときは、辞書や類語辞典を参考にすると確実です。「大変」の類語(Weblio類語辞典)「大変」の意味(コトバンク)「大変」の意味・使い方(goo国語辞書)も参考になります。