手紙を書く機会が減った現代だからこそ、いざという時に正しい書き方で気持ちを伝えたいものですよね。特に、改まった手紙で使う「拝啓」という言葉。この言葉で書き始めたはいいものの、最後の「結び」をどうすれば良いのか、手が止まってしまった経験はありませんか。どのような「終わりの言葉の例」があるのか、相手の健康を気遣うにはどう書けばいいのか、悩む点は多いかもしれません。実は、「拝啓」で始めた手紙には、それに呼応する結びのルールが存在します。例えば、「拝啓敬具の例文」のように、頭語と結語はセットで考えるのが基本です。この記事では、「拝啓」で書き出す手紙の結びに焦点を当て、豊富な例文を交えながら、相手や状況に応じた適切な書き方を分かりやすく解説していきます。
この記事を最後までお読みいただくことで、あなたは以下の知識を得られるでしょう。
・「拝啓」とセットになる正しい結語の種類
・様々なシーンで使える結びの言葉の具体的な例文
・相手の健康や成功を気遣う丁寧な結びのフレーズ
・親しい人やビジネスなど、相手に合わせた表現の使い分け
「拝啓」で始めた手紙に続く「結び」の基本的な考え方と「例文」
ここでは、「拝啓」という頭語で始めた手紙の結び方について、基本的なルールや考え方を解説していきます。「拝啓」とセットになる結語は何か、どのような結びの言葉を添えれば良いのか、具体的な「拝啓の結びの例文」を豊富に示しながら、順を追って見ていきましょう。手紙全体の構成を理解することで、自信を持って筆を進められるようになるはずです。
そもそも「拝啓」と「敬具」の関係とは?
「拝啓」の後に続く時候の挨拶の例文
本文の後に添える結びの言葉の一覧
手紙の結びに使える健康を気遣う言葉
女性らしい手紙の書き方と例文のヒント
「拝啓」と「かしこ」の組み合わせ例文
そもそも「拝啓」と「敬具」の関係とは?
手紙における「拝啓」と「敬具」は、それぞれ「頭語(とうご)」と「結語(けつご)」と呼ばれ、切っても切れない一対の関係にあります。これは手紙における基本的な作法の一つであり、会話における「こんにちは」と「さようなら」のような、始まりと終わりの挨拶に相当するものと考えると分かりやすいかもしれません。
「拝啓」は、「謹んで申し上げます」という意味を持つ、最も一般的で広く使われる頭語です。ビジネスレターからプライベートな手紙まで、相手に敬意を示したい様々な場面で用いることができます。そして、この「拝啓」で始めた手紙を締めくくるのが、「敬具」という結語です。「敬具」には「謹んで申し上げました」という意味があり、「拝啓」で表した敬意を最後まで保ち、手紙を丁寧に結ぶ役割を果たします。
つまり、「拝啓」で手紙を始めた以上、原則として文末は「敬具」で結ぶのが正しいマナーとされています。このセットを崩してしまうと、手紙全体の構成がちぐはぐな印象になり、相手に違和感を与えてしまう可能性も考えられます。例えば、頭語が「拝啓」なのに、結語をより丁寧な「敬白(けいはく)」や、前文を省略したことを示す「前略」に対応する「草々」にしてしまうのは誤りです。まずはこの「拝啓と敬具はワンセット」という大原則をしっかりと押さえることが、正しい手紙を書くための第一歩と言えるでしょう。
「拝啓」の後に続く時候の挨拶の例文
「拝啓」という頭語の後には、本題に入る前のクッションとして「時候の挨拶」を続けるのが一般的です。これは、季節の移ろいに触れることで手紙に情緒や心遣いを添える、日本独自の美しい文化と言えるでしょう。時候の挨拶は、相手の健康や安否を気遣う言葉へと繋がる導入の役割も担っています。
時候の挨拶は、大きく分けて「漢語調の表現」と「口語調の表現」があります。ビジネス文書や目上の方への手紙では、格調高い漢語調の表現が好まれる傾向にあります。例えば、「拝啓時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」という「拝啓の例文」は、季節を問わずに使える汎用性の高いフレーズです。
季節感をより具体的に出したい場合は、月ごとの表現を用いると良いでしょう。
春であれば「春暖の候、皆様におかれましては益々ご健勝のことと存じます。」
夏であれば「盛夏の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
秋であれば「秋冷の候、〇〇様には一段とご活躍のことと拝察いたします。」
冬であれば「寒冷の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと何よりに存じます。」
といった形です。
一方、親しい間柄の方への手紙であれば、少し柔らかい口語調の表現も適しています。
「拝啓桜の便りが聞かれる頃となりましたが、お元気でお過ごしでしょうか。」
「拝啓厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしですか。」
このように、季節の風景が目に浮かぶような言葉を選ぶと、よりパーソナルな温かみが伝わる手紙になるのではないでしょうか。
本文の後に添える結びの言葉の一覧
手紙の主文を書き終え、結語である「敬具」を記す前に、最後の締めくくりとして「結びの言葉」を添えるのが丁寧な手紙の作法です。この結びの言葉は、手紙全体の印象を決定づける重要な部分であり、相手の今後の活躍や健康を祈る気持ちを表します。ここでは、様々な状況で使える「結びの言葉の一覧」をご紹介します。
まず、ビジネスシーンや目上の方へ送る場合に適した、フォーマルな結びの言葉です。相手の繁栄や発展を祈る表現が中心となります。
「末筆ながら、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
「今後のさらなるご活躍を祈念しております。」
「皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。」
これらのフレーズは、どのような相手にも失礼なく使えるため、覚えておくと非常に便利です。
次に、もう少し個人的な手紙や、相手との関係性を示したい場合の結びの言葉です。
「季節の変わり目ですので、くれぐれもご自愛ください。」
「またお会いできる日を楽しみにしております。」
「皆様にもどうぞよろしくお伝えください。」
相手の体を気遣う言葉や、再会を願う言葉、家族への伝言を頼む言葉などを添えることで、より温かみのある結びとなります。
その他にも、様々な状況に応じた表現が考えられます。
返信を求める場合:「お忙しいところ恐縮ですが、ご返信いただけますと幸いです。」
お礼状の場合:「この度のご厚情、誠にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。」
このように、結びの言葉は手紙の内容や目的に合わせて使い分けることが大切です。これらの「終わりの言葉の例」を参考に、自分の言葉でアレンジしてみるのも良いでしょう。
手紙の結びに使える健康を気遣う言葉
手紙の結びにおいて、相手の体を気遣う一文は、書き手の優しさや思いやりを伝える上で非常に効果的です。特に、季節の変わり目や相手が多忙であることが分かっている場合などには、積極的に取り入れたい表現と言えます。ここでは、「手紙の結びに健康を気遣う」ための具体的なフレーズをいくつかご紹介します。
最も一般的で使いやすいのが「ご自愛ください」という言葉です。「自愛」とは、自分の体を大切にするという意味であり、「どうぞお体を大切にしてください」という気持ちを丁寧に表現できます。
「時節柄、くれぐれもご自愛ください。」
「寒さ厳しき折、どうぞご自愛くださいませ。」
このように、季節を表す言葉と組み合わせると、より心のこもった印象になります。
もう少し柔らかい表現を使いたい場合は、以下のような言葉も考えられます。
「どうぞ健やかにお過ごしください。」
「くれぐれもご無理なさらないでくださいね。」
「十分な休養をお取りください。」
これらの表現は、相手の状況を具体的に案じている気持ちが伝わりやすく、特に親しい間柄の方への手紙に適しているかもしれません。
さらに、気候の変動に触れながら気遣う言葉も、季節感が出て素敵です。
春:「寒暖の差が激しい毎日ですので、体調を崩されませんようお気をつけください。」
夏:「猛暑が続きますが、夏バテなどなさいませんようお気をつけください。」
秋:「朝晩は冷え込むようになりましたので、暖かくしてお過ごしください。」
冬:「これからが冬本番です。風邪など召されませぬよう、お気をつけください。」
こうした具体的な気遣いの言葉は、相手の心に温かく響くはずです。手紙の最後にこのような一文を添えることで、手紙全体が思いやりに満ちたものになるでしょう。
女性らしい手紙の書き方と例文のヒント
手紙において「女性らしさ」を表現する場合、言葉選びや表現の細やかさが鍵となります。もちろん、性別によって書き方を固定する必要は全くありませんが、一般的に柔らかく、優雅で、細やかな気配りが感じられるような表現を指すことが多いようです。ここでは、「女性らしい手紙の書き方の例文」に繋がるようなヒントをいくつかご紹介します。
まず、言葉選びにおいては、漢語調の硬い表現よりも、和語やひらがなを効果的に使った、いわゆる「大和言葉」を取り入れると、文章全体が優しくしなやかな印象になります。例えば、「依頼します」を「お願いできますでしょうか」、「感謝します」を「心より御礼申し上げます」や「ありがたく存じます」といった言葉に置き換えるだけでも、印象は大きく変わるでしょう。
また、クッション言葉を上手に使うこともポイントです。「お忙しいところ恐縮ですが」や「差し支えなければ」といった一言を添えることで、相手への配慮を示し、要求や依頼の表現を和らげることができます。
結びの言葉においても、細やかな感性を表現することが可能です。
「季節の変わり目、お風邪など召されませんよう、あたたかくしてお過ごしくださいませ。」
「〇〇様の日々が、穏やかでありますよう願っております。」
「またお目にかかれます日を、心待ちにしております。」
このように、相手の日常に寄り添うような温かい言葉を選ぶと、書き手の優しい人柄が伝わるかもしれません。結語に「かしこ」を使うことも女性特有の表現ですが、これについては次の項目で詳しく見ていきましょう。大切なのは、紋切り型になるのではなく、自分の心からの言葉で相手を思いやる気持ちを綴ることです。
「拝啓」と「かしこ」の組み合わせ例文
「拝啓」で始めた手紙の結語として、「敬具」の代わりに女性のみが使える言葉に「かしこ」があります。この「拝啓かしこの例文」の組み合わせは、主にプライベートな手紙で用いられ、文章全体に柔らかく、丁寧かつ上品な印象を与えることができます。
「かしこ」は元々「恐れ多い」という意味の言葉で、手紙の末尾に用いることで、相手への敬意や恐縮の気持ちを表します。現代では、女性が書く手紙の結語として定着しており、「敬具」よりも少しパーソナルで、親しみのあるニュアンスを持つとされています。
具体的な使い方としては、「拝啓」で書き始め、時候の挨拶、主文と続けた後、結びの言葉を添えてから、最後に「かしこ」で締めくくります。
例えば、お世話になった方へのお礼状では、次のように書くことが考えられます。
「拝啓
風に舞う木の葉の音に、秋の深まりを感じるこの頃、〇〇様におかれましては、お変わりなくお過ごしのことと存じます。
(主文)
季節の変わり目ですので、どうぞお体を大切にお過ごしください。
末筆ながら、〇〇様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。
かしこ」
この組み合わせは非常に美しい響きを持ちますが、使用する際には少し注意が必要です。まず、「かしこ」は女性専用の結語であるため、男性は使用しません。また、ビジネス文書の中でも特に公式な書類や、謝罪文など、極めてフォーマルな場面では、「敬具」を使う方が無難とされることが多いようです。親しい間柄の目上の方や、個人的なお付き合いのある方への手紙などで、女性らしい丁寧さを表現したい場合に適した組み合わせと言えるでしょう。
相手や状況に応じた「拝啓」からの「結び」と豊富な「例文」
ここでは、手紙を送る相手や、その手紙が書かれる状況に応じて、「拝啓」で始めた手紙の結び方をどのように使い分けるかについて、さらに掘り下げていきます。ビジネスシーンや目上の方、親しい友人など、相手との関係性によって適切な言葉遣いは異なります。具体的な「拝啓の結びの例文」を通して、TPOに合わせた表現力を身につけていきましょう。
ビジネスシーンでの丁寧な結びの例文
目上の方へ送る際の結びの注意点
親しい人への手紙で使える結びの表現
お礼状で使える感謝を伝える結びの言葉
お詫び状で誠意を伝える終わりの言葉の例
「拝啓」の「結び」で使える「例文」の総括
ビジネスシーンでの丁寧な結びの例文
ビジネスシーンで「拝啓」を用いた手紙を書く場合、結びの言葉は今後の良好な関係構築や、プロジェクトの円滑な進行に影響を与える可能性もあるため、特に慎重な言葉選びが求められます。結びは、相手企業の繁栄を祈る言葉や、継続的な取引を願う言葉で締めくくるのが一般的です。
まず、相手企業の発展を祈る、最もフォーマルで汎用性の高い結びの例文です。
「末筆ではございますが、貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。」
「末筆ながら、貴社の今後のご隆盛を祈念しております。」
「貴社の一層のご繁栄を心よりお祈りいたします。」
これらの表現は、相手への敬意を最大限に示し、どのようなビジネス文書にも適しています。「末筆ながら」または「末筆ではございますが」という前置きを入れることで、より丁寧な印象になります。
次に、今後も良好な関係を続けたいという意図を伝えたい場合の結びです。
「今後とも変わらぬご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。」
「引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。」
「今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。」
これらのフレーズは、見積書や提案書の送付状、あるいは時候の挨拶状など、様々な場面で活用できます。
また、返信を要請する場合も、丁寧さを損なわない表現を心がけることが大切です。
「ご多忙中とは存じますが、ご検討の上、ご返信賜りますようお願い申し上げます。」
「お手数をおかけしますが、〇月〇日までにご回答いただけますと幸いです。」
ビジネスにおける結びは、単なる挨拶ではなく、コミュニケーションを円滑にするための重要なツールです。これらの例文を参考に、状況に応じて最適な言葉を選べるようにしておくと良いでしょう。
目上の方へ送る際の結びの注意点
目上の方へ「拝啓」で始まる手紙を送る際には、結びの言葉で礼を失することがないよう、細心の注意を払う必要があります。尊敬の念と、相手への深い配慮が伝わるような言葉選びが重要になります。
最も大切なのは、相手の健康や活躍を心から祈る気持ちを表現することです。前述した「手紙の結びに健康を気遣う」表現は、目上の方への手紙において特に有効です。
「時節柄、くれぐれもご無理なさらないでください。」
「〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
といった言葉は、相手を敬い、大切に思う気持ちをストレートに伝えることができます。
また、自身の未熟さや、相手から教えを請いたいという謙虚な姿勢を示すことも、良好な関係を築く上で効果的な場合があります。
「若輩者のため、至らぬ点も多々あるかと存じますが、今後ともご指導いただけますと幸いです。」
「〇〇様から賜りましたご助言を胸に、一層精進してまいる所存です。」
このような表現は、相手を立てつつ、自分の前向きな姿勢を示すことにも繋がります。
注意点としては、馴れ馴れしい言葉や、簡略化しすぎた表現は避けるべきです。例えば、親しい友人に使うような「また近いうちに飲みに行きましょう」といった結びは、たとえプライベートで親しくしていても、改まった手紙の中では不適切と受け取られる可能性があります。あくまでも敬意を基本とし、言葉の端々に尊敬の念を込めることが、目上の方への手紙における結びの鉄則と言えるでしょう。結語はもちろん「敬具」を使い、最後まで丁寧な姿勢を貫くことが大切です。
親しい人への手紙で使える結びの表現
「拝啓」で書き始める手紙は、何も堅苦しい相手に限定されるものではありません。日頃お世話になっている恩師や、少し年の離れた友人など、敬意を払うべき親しい間柄の相手に送る場合もあるでしょう。そうした場合、結びの言葉も少しパーソナルで温かみのある表現を選ぶと、気持ちがより伝わりやすくなります。ここでは、「手紙の結びで親しい人」へ向けた表現のヒントをご紹介します。
ビジネス文書のような定型的な結びではなく、少しだけ自分の言葉を加えるのがポイントです。例えば、相手の健康を気遣う場合でも、
「季節の変わり目、体調を崩しやすいから気をつけてね。」
「忙しい毎日だと思うけど、くれぐれも無理はしないでください。」
のように、少し口語に近い柔らかな表現にすると、親密さが感じられます。
また、共通の思い出に触れたり、再会を楽しみにしている気持ちを伝えたりするのも良い方法です。
「また皆で集まって、昔話に花を咲かせたいですね。」
「次にお会いできる日を、心から楽しみにしています。」
「そちらへ伺う際には、ぜひご連絡させてください。」
このような一文は、相手との繋がりを大切に思っている証となり、受け取った側も嬉しい気持ちになるのではないでしょうか。
もちろん、「拝啓」で始めている手から、ある程度の丁寧さは保つ必要があります。結語は「敬具」、女性であれば「かしこ」を用い、全体のトーンを整えることが大切です。親しさの中にも礼儀あり、というバランス感覚が、親しい人への手紙を成功させる鍵となります。堅苦しすぎず、かといって砕けすぎない、絶妙な言葉選びを楽しんでみてください。
お礼状で使える感謝を伝える結びの言葉
何か贈り物をもらったり、お世話になったりした際に送るお礼状では、結びの言葉で改めて感謝の気持ちを強調することが、相手に誠意を伝える上で非常に重要です。「拝啓」で始めたお礼状の最後に、心からの感謝が伝わるような結びのフレーズを添えましょう。
まず、シンプルに感謝の気持ちを繰り返す表現です。
「末筆ではございますが、この度のお心遣いに重ねて御礼申し上げます。」
「この度のご厚情、誠にありがとうございました。」
「まずは略儀ながら書中をもちまして御礼申し上げます。」
「略儀ながら書中にて」という表現は、「本来であれば直接お伺いして言うべきところを、手紙という簡略な形で失礼します」という謙遜の意を示すもので、丁寧なお礼状でよく使われます。
次に、いただいた品物や受けた配慮に対する感想を具体的に述べ、感謝に繋げる方法もあります。
「お贈りいただきました〇〇は、早速家族みんなで美味しくいただきました。本当にありがとうございました。」
「先日は心のこもったおもてなしをいただき、夢のようなひとときを過ごすことができました。重ねて感謝申し上げます。」
このように、具体的なエピソードを交えることで、感謝の気持ちがよりリアルに、そして深く伝わります。
さらに、感謝の気持ちと同時に、相手の健康や幸せを祈る言葉を添えると、より丁寧で温かい印象のお礼状になります。
「この度のお心遣いに深く感謝いたしますとともに、皆様の今後のご健勝を心よりお祈り申し上げます。」
お礼状は、感謝を伝えるだけでなく、相手との良好な関係をさらに深める機会でもあります。これらの例文を参考に、あなたの感謝の気持ちを最大限に表現してみてください。
お詫び状で誠意を伝える終わりの言葉の例
ミスや不手際があった際に送るお詫び状は、手紙の中でも特に言葉選びが重要になります。結びの言葉一つで、相手が受け取る印象が大きく変わり、その後の関係を左右することさえあり得ます。「拝啓」で始めたお詫び状の最後は、誠心誠意、反省と謝罪の気持ちが伝わる言葉で締めくくる必要があります。
まず、謝罪の言葉を改めて述べるのが基本です。
「末筆ではございますが、この度の不手際につきまして、重ねて深くお詫び申し上げます。」
「今回の件では多大なるご迷惑をおかけいたしましたこと、誠に申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。」
このように、ストレートに謝罪の意を繰り返すことで、反省の気持ちを明確に示します。
次に、今後の対応や再発防止への誓いを述べることで、誠実な姿勢をアピールします。
「今後は二度とこのような事態を招かぬよう、細心の注意を払う所存でございます。」
「今回の事態を厳粛に受け止め、再発防止に誠心誠意努めてまいります。」
ただ謝るだけでなく、未来に向けた具体的な改善策や決意を示すことが、相手の信頼を回復するためには不可欠です。
そして、最終的には相手に許しを請う言葉で結びます。
「何卒ご容赦いただけますよう、伏してお願い申し上げます。」
「誠に勝手なお願いではございますが、今後とも変わらぬお付き合いをいただけますよう、お願い申し上げる次第です。」
「伏してお願い申し上げます」は、平身低頭でお願いする様を表す、非常に丁寧な表現です。お詫び状は、形式的な言葉を並べるだけでなく、心からの反省の気持ちを込めて綴ることが何よりも大切です。これらの「終わりの言葉の例」を参考に、状況に応じた適切な言葉を選んでください。
「拝啓」の「結び」で使える「例文」の総括
今回は「拝啓」で始めた手紙の結びについて、様々な例文を交えながらお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。
・「拝啓」は頭語であり、結語の「敬具」とセットで使うのが基本である
・女性は「拝啓」の結語として「かしこ」を使うこともできる
・頭語の後には時候の挨拶を続けるのが一般的な手紙の構成である
・結びの言葉は、主文と結語の間で相手への気遣いや今後の関係を願う言葉である
・ビジネスでは相手企業の繁栄を祈る結びが一般的である
・目上の方へは健康や活躍を祈る言葉で敬意を示す
・親しい人への結びは、再会を願う言葉などで温かみを出すと良い
・お礼状の結びでは、改めて感謝の気持ちを述べる
・お詫び状の結びでは、謝罪の言葉と再発防止の誓いを述べる
・「ご自愛ください」は相手の健康を気遣う便利なフレーズである
・季節の言葉を添えると、より心のこもった結びになる
・「末筆ながら」は結びの言葉を始める際の丁寧な前置きである
・「略儀ながら書中にて」は、手紙で御礼やお詫びを述べる際の謙譲表現である
・女性らしい手紙では、和語やクッション言葉を効果的に使うと良い
・手紙の結びは、相手や状況に応じて表現を使い分けることが重要である
手紙の結びは、書き手の気持ちを最後に伝える大切なパートです。今回ご紹介した様々な例文を参考にしながら、ぜひあなた自身の言葉で、心のこもった手紙を完成させてください。正しいマナーと相手への思いやりが、きっと良好な人間関係を築く助けとなるでしょう。